第2話 ホルム南方(午後)②
村、といっても15~6軒ぐらいしかない小さな集落だ。小高い場所に比較的大きな屋敷があるが、元コルホーズ長(ソ連の集団農場の長のこと。ほぼ村長と思ってよい)の家で今はドイツ軍が接収している。それ以外の家はロシア人がそのまま住んでいるとのことだった。
当然ドイツ軍の支配下にあるのだろう。アントンの性格からして、あまり厳しい支配はしてないと思いたい。
手近な家に近づいていくと、
「返してっ‼︎」
という声が、不意に耳に飛び込んできた。
声の甲高さからすれば、少女のものか?
そろそろと家の影から覗くと、家と家の狭い間に3人の子供がいる。
2人は男の子で、その1人は手に何かを持っている。背をこちらに向けているため表情はわからない。……あの持っているものは、本だろうか。
もう1人は少女だ。さっきの声は彼女のものに違いない。汚れてほつれも目立つ服、短く切り揃えた金髪に蒼い目の顔は整っている。
しかし、その表情は悲しく歪んでいる。
「その本は、わたしにとって本当に大切な物なのっ。だからお願い、返してっ」
「へえ、こんな本が」
乱暴に本のページをめくる男の子。表情は見えないが、声からは少女をあざけっているように感じる。
「やめてっ、手荒にあつかわないでっ!」
「売っちゃった方がいいんじゃねぇ?こんなご時世に本だぁ?」
もう1人の男の子の声にも、少女への情けは感じない。
「ねえ、わたしあなた達になんか悪いことした?なんでこんなことするの?お願いだから返して」
「ちぇっ…分かったよ…」
不貞腐れたような声で本を持った男の子が、高く上げた手を下ろして本を少女の前に差し出す。
おそるおそる本に手を伸ばす少女。しかし、本に手が触れる直前、男の子は再び手を高く上げると、そのまま本を投げた。そして本は隣の男の子がキャッチ。
「やめてーっ‼︎」という少女の叫び声を無視して、最初に本を投げた小僧が少し下がって「パス、パス」と本を要求、再び投げられた本はパラパラとページが開かれながら、小僧の手に収まる。
「ナイスキャッチ!」
「ねえ…、ほんとやめて……。何でもするから、その本だけは…」
声を震わせての少女の懇願も、小僧たちには響かなかったようだ。
「へぇ?何でも?じゃあ…」
「はい、悪さもそこまで」
スッとハンスが出て、背を向けて気がつかない男の子の手から、ひょいと本を取り上げる。
「2人がかりで女の子をいじめるのは、男らしくねぇよな」
急な声に振り向いた少年たちは、取り上げたのがドイツ兵という事で、ひゃあ、と情けない声を上げた。
「ドイツ兵だ!」「ロシア語しゃべってた!」と喚きながら逃げていく。
「これ、君の本だろ?」
1人残った少女も急に現れたハンスに目を丸くしていたが、差し出された本におそるおそる近づき手を伸ばす。
本を受け取った後は、素早くページをめくって破損がないかを調べ、多分何もなかったのだろう、安堵したように大きくため息をついた。
「大丈夫だった?」
「あ、あ、ありがとうございますぅ〜。こ、これ、父の、父の…」
後半は声にならず、安心したためか涙がぽろぽろ流れる。
「ちょ、ちょっと」
慌てて止めようとしたハンスだが、間に合わず号泣された。
本をしっかり両手で抱きしめながら。
「失礼しました…」
少女はやや顔を赤らめながら、泣き止んでくれた。
もめていた家の裏手に彼女を座らせ、ハンスも横に座って泣き止むまで待ったのだ。
「申し遅れました。わたし、マリーヤ=ドミートリェヴナ=ペトロヴァナといいます」
ロシア名は名前=父性=苗字からなる。さらに男か女かで父性と苗字の語尾が変化する。
「困っていたところを助けていただき、ありがとうございます。まさかドイツ兵の方に助けてもらえるとは思いませんでしたが」
そう言って、目は赤さは取れてないままでニコッと笑った。
「まあ、子どもが悪さしてたら、叱るのは大人の仕事ってとこかな」
「…ロシア語、お上手なんですね。その軍服でなければロシアの方としか思えません」
「よく言われる。言っとくが白系ロシアじゃないからな」
ドイツ軍には社会主義革命に反発して亡命、白系ロシア人として戦争している者もいる。ソ連からは祖国を裏切った売国奴として、目の敵にされている。
「バルト=ドイツ人なんだけど、君に分かる?」
「分かります!学校で習いました。ここから西へ行ったバルト沿岸に住んでる人々ですよね」
「お、よく勉強してるなぁ。えらいえらい」
「わたし、大きくなったらレニングラードから船に乗って、フランスやイギリスに行くのが夢なんです」
「おー、すごい。戦争終わって、行けたらいいよなあ」
現実を見れば、戦争は終わる気配もみせず、レニングラードはドイツの半包囲を受けて塗炭の苦しみの中だが。
「……でも、無理です…」
マリーヤは急に顔を歪めて俯く。
「戦争、だもんなぁ」
「……それもそうですけど…」
マリーヤは伏せた顔を上げてハンスを見た。
「多分、戦争が終わっても、そんな未来は……」
なんか事情があるようだ。さっきのいじめっ子といい、彼女はこの村で受けいられてないのかもしれない。
「……どうだい?見ず知らずのドイツ兵だが、事情があるなら話してみないかい?行きずりだから話せるってこともあるだろう?」
その言葉に、少女は明らかに驚いていた。ドイツ兵にそんなことを言われるとは思いもしなかったのだろう。
「…そう言えば、まだあなた様の名前を聞いてませんでした」
「ハンス。ハンス=オストワルトっていうんだ。よろしくな」
怖がらせないようにっこり笑って自己紹介。それを見てマリーヤは、考えるように口をつぐんだが、小さくため息をついた後、弱々しい笑顔で話しはじめた。
「じゃあハンスさん。聞いていただけますか…?」
マリーヤの元の家は、今ドイツ軍が接収しているコルホーズ長の家らしい。すなわち元村長の家ということで、この村では1番裕福な家だったようだ。
母は3〜4歳の頃に亡くなったが、元コルホーズ長の祖父母、それを引き継いだ父、後継の兄も健在で、なんの悩みもなくすくすく育ったらしい。
そして今も大事に抱えている本は、2年前のクリスマスの贈り物としてもらった『八十日間世界一周』で、子ども向けロシア語版として売られていたのを買ってきてくれたという。
「ハンスさんは読んだことありますか?わたしは何度読んだかわかりません。
主人公のフォッグと従者のパスパルトゥーが、さまざまな困難を知恵と金で乗り越え、1日遅れたっと思ったら西回りで1日余裕があるというどんでん返し。
わたしがフランスに行ってみたいと思ったのも、この本なんです。フランスだけじゃない、インドではまだ
この本のことを語るマリーヤは、本当に楽しそうで目がキラキラしていた。
「でも…、今はそんな夢を語ることさえできなくなりました…」
一転して顔と口調が翳る。
1年前、独ソ戦が開始されると、父と兄は出征を余儀なくされた。村の男の若者はほぼ全員が村を離れ、祖父がコルホーズ長に返り咲いた。
そしてドイツ軍に村が占領されると、村の代表としてドイツ軍の要求の矢面に立つことになった。その苛酷な要求に心身ともに疲れ果て、心臓の持病を悪化させてほどなく亡くなったという。
次のコルホーズ長が父の弟、マリーヤにとっては叔父にあたる人だったようだ。かれは出征時に足を骨折していて免れる事ができたため、村に残った数少ない壮年男性であり、血統的にも年齢的にも長は彼しかなかった。
「ですが、叔父は…、身内を悪く言いたくないですが、冷たい方で…。祖父の葬儀もそこそこに、わたしの家をドイツ軍に献上することを決めました。祖母とわたしの2人には、この屋敷は広すぎるという理由で。
祖父がいた時には、ドイツ軍に迎合しすぎる、もっと強く交渉すべきだと突き上げていたくせに、自分がその立場になったら、すぐにドイツ軍に媚びて…。
もちろんわたしは反対しましたが、祖父を失って気力を落とした祖母は、もうどうでもいい感じでした。かわりにあてがわれたのが、部屋も何もない、壊れかけた納屋をすこし改修しただけの掘立て小屋で」
荷物も服や身の回りの少数の物、そしてこの本ぐらいしか持ち運べず、事実上叔父に押収された。それどころか、祖父の後を追うように祖母が亡くなると、その家さえ没収された。
「わたしには部屋も与えられず、叔父夫婦の家の土間がわたしの寝る場所になりました。叔母からは召使いのようにこき使われて、わずかな食事を与えられて…。
叔母からは『さっさとしな!』『穀潰し!』『なんだい、その目は?嫌なら出て行きな!』と、最近は罵声しか聞いた事がないです…。」
わたしがコルホーズ長の娘の時は、猫撫で声しか聞いた事がなかったんですけどね、と寂しく笑う。
ちなみにさっきマリーヤをいじめていたのは叔父夫婦の双子の息子で、マリーヤの従兄弟とのこと。歳は一つ下で、マリーヤは弟と思ってかわいがってきたので、こんな仕打ちを受けるとは思ってもみなかったらしい。
特に最近は、彼らの目付きが怪しいという。
なにしろ土間が彼女の場所だ。着替えも何も丸見えで、せめて着替えの時には従兄弟たちを離してほしいと叔母に訴えても、「色気づいてんのかい?アンタにはそういう生き方がお似合いなんじゃじゃないの?」とせせら笑っているのだという。
「わたしは…、あの兄弟の性の捌け口にさせられるんだと思います…。もう、そんな未来しか、残っていない…」
少女とは思えない陰惨な言葉を吐いて、顔を膝に埋めたマリーヤだった。
戦争の被害者、とも言える。
そしてその戦争を引き起こしたのがドイツ軍だ。
ドイツ軍の一員とはいえハンスが責任を負う必要がないのは、もちろんわかっている。
だが。
「じゃ、逃げるか」
という言葉が思わず口についていた。
あっさり軽い口調のハンスの言葉に、マリーヤは驚いて顔を上げた。
「そんなクソったれな家から逃げるなら、手伝ってやるよ」
にかっと笑って、マリーヤの目を見るハンス。
「……手伝う、とは…?」
「マリーヤは飛行機に乗ったことはあるかい?」
唐突なハンスの質問にも、マリーヤはふるふると首を横に振って答えた。
「なら初体験になるか。俺はシュトルヒっていう飛行機でここに来ているんだが、帰りの荷物や乗客はいなくてな。マリーヤ1人くらい簡単に乗せれるんだ。行き先はスタヤラ=ルッサ。近くの街だから、聞いたことあるんじゃないか?」
コクンと首を縦に振って、マリーヤは肯定する。
「そこには知り合いのロシア人女性がいてな。姐御肌なんで事情を話せば置いてもらえるし、守ってもくれる。酒場を切り盛りしていて、最近繁盛してきたから人手が欲しいって言ってたから、間違いない。もちろん、マリーヤが真面目に働く必要はあるが」
「……それは、もしそうなったら働きます。ですが…」
「まあ、さっき会ったばかりの、しかもドイツ兵。信用してって言っても難しいのは、よ〜く分かる。普通だったらついてかないよなあ。顔見知りが1人もいない所に行く不安もあるだろうし。
だから俺は、君に選択肢を与えているだけだ。マリーヤのいう、暗い未来とは違う道を。
どちらを選ぶか、今ここで決めてくれ」
マリーヤは押し黙った。考えているようだ。
表情は真剣だ。少なくとも、冗談と捉えている風はない。
その間、ハンスも何も言わずマリーヤの答えを待った。
「アウーダもこんな気持ちだったのかしら…」
誰とはなしに、マリーヤの口からセリフがこぼれる。
「何だって?」
「いえ、独り言です」
そう断ったあと、マリーヤは落としていた目線を上げてハンスを見た。
「ひとつ、聞いてもいいですか?」
「答えられることなら、何でも」
「ハンスさんは、なぜ手助けしてくれるのですか?どんな得がハンスさんにあるのですか?」
「…得はないな、別に」
「じゃあ、なぜですか?」
「うーん、成り行き、かなぁ…。いじめられてる女の子がいたので、助けて話を聞いた。かわいそうに思ったから、手助けを申し出た。それだけなんだが」
「…そうですか」
マリーヤはあまり納得してないようだ。それだけの理由で見返りを求めないというのが、なかなか飲み込めないのかもしれない。
「後は…、ちょっと気持ち悪い理由なんで、言いづらいんだが」
「な、なんですか?」
「俺にも妹がいてさ。しかも名前が同じマリーア。7〜8年会ってないが、最後に会った時は今のマリーヤと同じくらいの歳で」
マリーヤもマリーアも、キリスト教の聖母を由来とする名前で、各国で見られるポピュラーなものだ。語尾が違っているのはロシア語とドイツ語の差で、同じ名前と言える。
ちょっと見、ブロンドを短く切り揃えたところなど、目の前のマリーヤは妹のマリーアと似たところがあるのだ。
「だから、まあ、その妹と重ねてるっていうか。……シスコンぽくて、ちょっとアレだけど…」
「…その、妹さんは、今?」
「行方不明。他の家族もろともに」
「す、すいません。変なこと聞いちゃって」
「なんでも聞けって言ったのは、俺だから」
この後は少し、2人とも沈黙の時間が流れた。
「決めました」
やがて、コクッとうなづいたマリーヤが、ハンスを見た。
「ハンスさん、お手数かけますが逃げるのを手伝って下さい」
「…本当にいいんだね?」
「はい」
「出征したという父や兄と、もう会えなくなるかもしれんぞ?」
「…それも考えました。ですが、……今の家にいて心が折れない自信がありません。それしかないのならまだ耐えられるかもしれませんが、こんな心惹かれる選択肢を与えられて、断って残ったのだとしたら…、多分…」
語尾は濁したが、しっかり考えて答えを出したようだ。最初に見た時のおどおどとした目ではなく、強い決意を秘めた蒼い目がハンスに向けられている。
「わかった」
ハンスもこれに応えなけれならない。
マリーヤと簡単な打ち合わせをする。
まず一度に叔父の家に帰り、服などを持ってくる。一言、家から出ることを伝える必要もあるだろう。
ロシアの冬を乗り越えるには、身体に合う防寒具があるかどうかは生死にかかわる。戦時下で物資不足の今ならなおさらだ。
マリーヤが帰ってくるまでハンスはここで待ち、もし1時間たっても戻ってこなかった場合は拘束、あるいは心変わりということで、シュトルヒは離陸する。
なんだかんだいっても子供だ。家に戻れば心変わりもあり得ると思っての処置だったが、杞憂だった。
30分もせずにマリーヤは戻ってきた。大きな鞄を持って。
「叔母は驚きましたよ。さすがに」
はぁはぁと息を切らしながらも、楽しげにマリーヤは話した。
「そりゃそうですよね。いつもの調子で『出ていきな‼︎』と言ったら、『じゃあ、出ていきます』って、荷物まとめ始めるんですから。あ、この鞄も元々うちにあったもので『返して貰います』と言って、持ってきちゃいました」
戦利品のように鞄を掲げる。この膨らんだ鞄に服とかあの本とかが入っているのだろう。あまり荷物はないと言っていたから、こんなものか。
「叔母も『どこに行く気だい?』『ねぇ、考え直しなよ』と、急に引き止めにかかったりして。『今までありがとうございました』と、にっこり笑ってきびすを返した時には、なんとも言えない解放感でいっぱいでしたっ」
いい顔だ。汗と高揚感できらきらしている。
第一関門突破。
次は、誰にも見られずにマリーヤを乗せるミッションだ。
マリーヤはロシアの民間人。軍用機であるシュトルヒに乗せていい存在ではない。
幸い、草原に駐機しているシュトルヒの周りに兵はなかった。
かなり離れた草原の向こうにアントンらしき人影と兵士が数名。
遮蔽物のない場所を小さい少女と一緒に走り切るには、危険な距離だ。シルエットでバレるかもしれない。
「マリーヤ…、あー、マーシャでいいか?」
「!もちろんですっ」
ロシアでは親しい仲になれば愛称で呼ぶのが普通だ。愛称で呼んでいいか、と聞くのは「仲良くなりたい」という意味にもなる。
「じゃマーシャ、まずその鞄は俺が持つ」
と、マリーヤから鞄を受け取る。
「それからあの飛行機まで歩いて行くが、あっちには兵隊さんがいる。だから俺が盾のようになってマーシャを隠すから、同じ歩調で歩いて飛行機まで行く」
「学校の、行進の授業みたいに、ハンスさんと揃って進む感じですか?ハンスさんの陰に隠れて?」
「多分それで大丈夫」
こんな簡単な説明だけで、ハンスの意図を汲み取ってくれたらしい。頭の回転の速い子だ。
じゃあ、行こうか、とハンスが立つとその横にマリーヤが横隊のように並ぶ。
2人だけの行進。
鞄は兵隊側の手に持ち、身長差でどうしてもマリーヤが見えてしまう股下を隠す。
遠目で出発するのが分かったのか、アントンが軽く手を振ってきた。ハンスも手を振って返す。
「気がついてないようだな」
顔を向けず小声でマリーヤに言う。
まあ、ロシア少女を連れているなんて、想像もしてないのだろう。
あっさりシュトルヒについた。
風防を開け、機体で隠しながらマリーヤを持ち上げて、後席に座らせる。ハンスもすぐに操縦席に座る。
「シートベルトの付け方はわかる?」
「………わかりません」
「車乗ったことなけりゃわからんか。そんなにスピードは出ないから、近くの手すりに捕まってればいい。あ、荷物は足元でいいから」
「はい」
「あと、離陸までは一応頭下げてくれる?外から見えちゃうかもだから。まあ、飛び立っちゃったら止めようもないけどな」
「わかりました」
振り返らないので姿は見えてないが、ごそごそ動く音は聞こえる。真面目な性格なのだろう。
「じゃ、飛ぶよ」
エンジンをかけてスロットルを入れる。マリーヤは何か返事をしたようだがエンジン音でよく聞こえなかった。
いつもよりはゆっくりと加速する。慣れてない者に強いGは負担が大きい。
シュトルヒにしては長い離陸距離で、草原からふわりと飛び立つ。高度が上がる。
「うわぁ…」
感嘆の声が後席から聞こえる。チラッと後ろに目をやると、マリーヤが風防に貼り付いて下を見ていた。
「私の村が目の下に…、あんなに小さくなって」
ハンスには見慣れた光景も、初めてのマリーヤには衝撃だったのだろう。「うわぁ」「すごい」などの声が聞こえる。
そう言えばハンスが子供の頃、サーカス団の飛行機に大金払って乗せてもらった時もこんなだったか、と懐かしく思い出す。
➖ハンス兄様が立派なパイロットになりましたら、マリーアを後ろの席に乗せて下さいませね。約束ですわ。
急に妹のマリーアとの約束を思い出した。
マリーヤ違いだが、ちょっとは約束を果たしたことになるのかな。
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