僕にとって、重大発表だった

 祝日に千夏さんの家に行く時は、彼女の帰宅に付き添う形の放課後と違い、1人でお邪魔することになる。行く時間もほぼ固定なので、呼鈴すら押さずに入ることも珍しくない。


今日もいつも通り彼女の家のリビングに行くと、千春さん・千夏さんの2人が隣同士でテーブルの椅子に腰かけていた。


「来たわね。玲、座ってくれない?」

そう言う千夏さんは、深刻そうな顔をしている。


「うん…」

ちょっと悩んだ結果、千夏さんの真正面になるように座る。


「玲君。私達から重大発表があります…」

千春さんの表情も暗い。


一体何なんだ? 何かトラブルでも起きた?


だとしたら、ここで言わなくても連絡できるはずだ。

緊急性があるわけではない…? 判断材料が足らないので、何とも言えないな。


それか…、 僕が2人に何かしたから、おしおきしようとしてる?


どちらかならあり得るかもしれないけど、2人同時は考えにくい。

いくら僕でも、そんな凡ミスはしないと思うけどな…。



 「実は私達…」

千春さんが口を開く。


これは秘密を暴露する感じ? 隠されていたことはショックだけど、話してくれる以上きちんと受け止めよう。どんな内容であってもね。


「今日2人同時に、になっちゃったの!!」

今度は千夏さんが話し出す。


「…え?」

って、僕が浮かんだアレで良いんだよね…?


「『女の子の日』って言ったほうが分かりやすいかしら?」


「千春さん、そういう事じゃなくて…。2人してヤバい事が起こったような顔をしてたので…」


「玲には一大事でしょ!? Hのバリエーションが減るんだから!!」


「まぁ…、そうだね」

間違いなく、2人のはいじれない…。


2人が落ち込んでいたのは、僕の欲求に応えられないから?

嬉しいような申し訳ないような…。複雑な気分だ。


「だからね。今日はH以外で玲君にご奉仕しようと思うの♪ 何かしてほしい事はあるかしら?」


「そうですね…」

ここはすぐ決めて言わないと、2人の罪悪感が増しそうだ。


「千夏さんは、ひたすら僕のをしゃぶってくれるかな?」

2人の体をいじれないから、僕を気持ち良くしてもらおう。


「任せなさい!」

やる気に満ちた顔をしているな。千夏さんはこうでなくっちゃ。


「千春さんは、耳かきをお願いできますか?」

お願いするのは初めてだけど、繊細なことは千春さんに任せたい。


「良いわよ♪ 他にはないの? 遠慮なく言ってね♪」


「それじゃ…、お昼は僕がリクエストした料理を作ってもらえますか?」


「わかったわ♪ 腕によりをかけて作るからね♪」



 たとえHに制限があっても、千春さん・千夏さんと過ごすのは心地良いんだ。

2人には、笑顔で楽しく過ごしてもらいたい。僕の希望はそれだけなんだから。

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