玲がいない学校
朝、うるさいアラームが鳴り、アタシは仕方なく起きる。
昨日は部屋の電気を消してからも自慰行為をしてたから、夜更かししちゃった♡
あれ? 知らない間に、メッセージが来てる。…玲からだ。
時間的に、ついさっき来たみたいだけど…。
『風邪っぽいから、今日学校休むね』
え? 今日、玲が学校に来ない?
それじゃ、アタシ1人で過ごさないといけないの?
すかさず『わかったわ。お大事に』と返信する。
話せる女子は数人いるけど、みんな付き合ってるアタシ達を気遣って距離を置くんだよね…。ちゃんと話すのは、体育の時ぐらいかな?
…アタシもサボりたくなったんだけど。なんて無理に決まってるよね。
仕方ない。朝食を食べるために、リビングに行くか…。
「おはよう、千夏ちゃん♪」
リビングに入って早々、既に朝食を食べている母さんに挨拶される。
「おはよう、母さん」
父さんはちょうどコーヒーを飲み始めたので、言うタイミングを逃したみたい。
アタシは母さんの横に腰かけ、用意されている朝食に手を付ける。
「はぁ…」
思わずため息が出ちゃった。
玲がいない学校なんて、肉がないハンバーガーみたいなもんよ…。
行く気は、ほぼ0に近い。
「千夏ちゃんどうしたの? 体調でも悪い?」
母さんがアタシを気遣ってくれる。
「そうじゃないの。さっき気付いたんだけど、今日玲が風邪気味で学校を休むって連絡があったのよ」
「まぁ、玲君が? 心配ね…」
「玲君…? ああ、今村君の事か」
父さんが会話に混ざってくる。
「そうよ」
「最近どうだ? 彼とはうまくいってるか?」
「もちろん」
Hも絶好調よ♡ なんて、口が裂けても言えないけど。
「それは良かった」
そう言って、父さんは微笑む。
「今日は私達から連絡するのは避けた方が良さそうね。寝てる玲君の邪魔をするかもしれないし」
お見舞いも考えたけど、アタシは玲の家に数回しか行った事がない。
なので、玲のお母さんに会ったら間違いなく気まずくなる。
そういう空気、苦手なのよね…。だからパスすることにした。
ちゃんと寝て、さっさと元気になるのよ、玲!
登校準備を終え、アタシは家を出た。何とか学校に向かって、授業を受ける訳だけど…。
隣に玲がいないと、何から何までつまらなくて退屈!
学校でエロトークはできないけど、それでも彼と話すのは楽しい。
最近は出会った時よりも肉食になって、エレベーター内でお尻を触ってきたりしたこともあったっけ。Hを重ねるうちに、少しずつ変わってきたみたい。
優しい玲も好きだけど、積極的な玲も最高よね♡
苦痛な時間を耐え、昼休みになった。
休憩時間はトイレに行ったり、移動教室先に向かう移動時間でほぼ潰れる。
けど昼休みは、弁当を食べ終わっても時間がめちゃくちゃ余る。1人だとなおさらだ。アタシ、もう限界かも…。
そう思った時、教室の扉が開き玲が入ってきた。
「玲! どうしたのよ? 今日、休むんじゃなかったの?」
「そのつもりだったけど、しっかり寝たらだいぶ楽になったんだよ。だから来ることにしたんだ。薬も飲んだし、心配いらないよ」
確かにアタシが見ても、玲は元気そうだわ。
「それに、千夏さんに会えないのは寂しいからさ…」
「アタシもよ、玲! あんたがいないと退屈でつまらないの」
…クラスメートの大半が、アタシ達を観ている。バカップルに思われたかも?
別に良いか。人の目を気にして我慢するなんて体に悪いよね。
「この時間に来たって事は、お昼は今から食べるの?」
「そうだよ。いつもより少食だけど」
一応病み上がりだもんね。…となると、あっちも控えめにしたほうが良いかな?
「玲。今日はHに誘わないほうが良い?」
周りに聴かれないよう、小声で話す。
「いつも通りにはできないけど、喜んでやらせてもらうよ」
良かった♡ 放課後のお楽しみも確保できたわ♡
とはいえ玲は本調子じゃないし、アタシがリードしてあげようかな♡
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