彼女の前で、百合を語る

 千夏さんと下校中、幼稚園児か小学校低学年の女の子2人が仲良く手を繋いでいるのを見かけた。微笑ましい光景だ。


その女の子達が通り過ぎた後、千夏さんが僕に話しかける。


「さっきの女の子達に『百合』とか言い出さないわよね?」


「あれぐらいの歳なら、手を繋ぐのは普通でしょ。さすがに言わないって」


中学生あたりだったら、考えちゃうけど…。



 「百合の何が良い訳?」

千夏さんは、まったく理解できないようだ。


「そうだね…」

何を言えば、興味を持ってくれるかな?


…ここは難しく考えなくて良いや。


「胸が4つある事かな」

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