お泊りの準備をしよう

 千春さん・千夏さん母娘が、僕を泊めてくれるみたい。

嬉しい誘いだけど、あの2人のことだ。穏便に済むとは思わないな…。


「玲。今日はあんたの着替えとかを買いに行くわよ!」

千夏さんが張り切っている。


「着替えなら、自分のを持っていくよ…」

ていうか、そうするのが普通でしょ?


「玲君の着替えがないから、私と和人さんのを借りた事あるじゃない? やっぱり、玲君の服がこの家にあったほうが良いと思うの♪」


着替えがなくて困ったといえば、あの時ぐらいだけどね…。

(彼女に見られちゃった&お背中流しま~す♪ にて)


「心配しなくても、アタシが玲に似合う服を選んであげるって!」


テンションが上がっているこの母娘を止めるのは不可能だ。

ここは素直に受けよう。


「では、お言葉に甘えます…」


「それじゃ早速、出発しましょうか♪」


僕達は戸締りを確認してから家を出て、車に乗り込む。



 …大型ショッピングモールに着いた。


「最初は、何を買うの?」

僕の物を買ってもらう以上、行動の選択権は2人にある。


「そりゃ、下着でしょ!」

千夏さんが即答する。


「下着は大切だからね。しっかり選ばないとダメよ」


千春さんが言う事はわかるけど、2人がいる中選ぶことになるのか…。


「アタシと母さんは見守ってるから、好きな下着を買ってちょうだい」

何故かニヤニヤしている2人。


僕の付き添いという理由で、男性用下着をジロジロ見たいのかな?



 男性用下着コーナーに着いた。

僕は下着にこだわっていないから、安物を数点買ってもらおう。


そう思って手に取った時、千春さんが声をかけてきた。


「玲君。ちゃんと考えて選んだ?」


何故か口出しされた。…見守るんじゃなかったの?


「だってあんた、他の下着を比較しないでいきなり手に取るんですもの。母さんが気にするのも当然よ!」


「僕、下着にこだわってないからさ…」


「マジで? それは全然ダメよ!」

千夏さんに辛口評価される僕…。

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