人妻のウソ・ホント

 僕が気になったエロ本を読んでいる時、気になるワードを見つけた。


それは『人妻はエロい』というもの。


旦那さんとHする機会がない人妻が、家に押しかけてきた強盗とってしまうのだ。


最初は嫌々だったものの、徐々に快楽から抜け出せなくなる人妻。

その変貌ぶりは、僕を興奮させるのだった…。


これはぜひ、千春さんに真偽を確かめないと。

そう思った僕は、リビングで3人のんびりしている時に尋ねる。



 「千春さん、ちょっと訊きたいことがあるんですけど」


「なぁに、玲君?」


よく考えると、どう訊くべきなんだ?

…まぁ良いか、思ったことをそのまま言おう。


「昔より、性欲増えましたか?」


「……玲、あんた何訊いてる訳?」

近くにいる千夏さんがツッコむ。


「大丈夫よ、千夏ちゃん。それよりも玲君、私以外の女の人に訊いたら、一発でアウトだからね♪」


「わかってます。千春さんにしか、こんな事訊けませんよ」

前も言ったけど、分別はついていると思う。


「玲がこんなことを訊くって事は…」

千夏さんは、電子書籍のライブラリを確認し始める。


「このキレイなおばさんが表紙のエロ本、これが関係する訳か…」


さすが千夏さん、勘が鋭いね。


「そうだよ。僕が選んで千春さんに買ってもらった本なんだけど、そこに出てくる人妻が強盗とったことで変貌するんだ」


「玲君が私に訊いた理由が分かったわ♪」


「それで、どうなんですか? 千春さん?」


人妻はエロいのか? やっぱり、人によりけりなのか?


「そうね……」


少し考え込んだ千春さんは、ついに口を開く。



 「昔より、Hなことを考える余裕ができたのは確かね」


「そうなんですか?」

昔と今の違いがわからない…。


「昔は、千夏ちゃんの育児で頭が一杯だったからね。落ち着ける時間はほとんどなかったし、夜泣きやおむつの交換とかで、時間も不規則だったから…」


バタバタしてる時に、Hなことを考える暇なんてないか。


「千夏ちゃんがある程度大きくなると落ち着ける時間は増えたけど、同じ頃に和人さんが昇進してさらに忙しくなったのよ。そんな状態でHはできないからね…」


旦那さん以外の男性とHしたら不倫だよな…。

となると、我慢するかおもちゃで何とかするほかない。


「さっき千夏ちゃんが言ってた本、私も読んだのよ。気持ちは嫌だけど、身体は反応する感じ…。思わず共感しちゃった♪」


千春さんに読まれてたんだ…。彼女の好みではないはずなのに。

興味本位なのか、僕の好みを知るためなのかはわからないけど…。



 千春さんの話を聴いた限りだと、人妻はHする機会がないから飢えてるのかな?

そう考えると『人妻はエロい』は正しい気がする。


「今は玲君が相手になってくれるから大満足よ♪ 千夏ちゃんが玲君を彼氏にしてくれたおかげね♪」


「アタシはそんなつもりで玲を彼氏にした訳じゃないけど…」


僕だってそうだ。でも、この2人だからこそ今の関係がある。

2人の代わりは、絶対に存在しない。断言しても良いはずだ。


「千春さん、色々話してくれてありがとうございました。お礼はベッドでします」


彼女には、言葉より身体で示したほうが良いだろう。


「…そうね、お願いしちゃおうかしら♪」


「アタシはリビングで待ってるわ。終わったらアタシね」


「わかった」


僕と千春さんはリビングを出て、彼女の部屋に向かう。

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