あの本で知る、母娘の傾向

※前回の『あの本救出大作戦』の続きです。



 引き出しに入りきらなくなった千春さん・千夏さんのエロ本を預かることになった僕。その本は紙袋に入っており、僕の部屋にある。


…すぐそばにエロ本があると、読みたくなってくるな。

夕食とお風呂は済ませてあるから、母さんが急に部屋に来ることはない。


僕は紙袋を漁り、2人のエロ本を読むことにした。



 紙袋に入っているエロ本をある程度読んで、思ったことがある。

千春さん・千夏さん母娘は仲が良いものの、エロ嗜好はかなり違う。


エロ本の表紙を観ただけで、どちらの物かすぐわかるな…。

2人を良く知るためにも、しっかり分析していこう。



 まず、千春さんからだ。


彼女は男の娘を知って以来、かなりハマっているようだ。

半数以上が、男の娘関連だね。他はショタ・姉弟などがある。


どのジャンルにしても、女性が主導権を握る流れが多い。

千春さんは母親だし、年下を甘やかしたいのかな?


男の娘系で好んでいる内容は、女子生徒に扮して女子校に入学する感じだ。

そこで男の娘であることがバレ、先輩にされるのだ…。


男の娘がキスしたりHするシーンを観ると、に見えなくもない。男の娘が、女子に勝るとも劣らない可愛さだからね…。


以前、お酒に酔った鈴華さんのキスを受け入れた話を聴いたけど、もしかして、の気もあるのかな? だとしたら、ある程度は納得できる。



 気になるのは千夏さんだ。彼女は、男の僕ですら驚くハードなHを好む。


2つの穴を同時に責められたり、野外プレイでバレるかどうかの瀬戸際に立たされたり…。電車に乗っている時に襲われる、というのもあるな。


これらでも十分ハードなのに、2つの穴どころか口と両手にもがあって責められるシーンを観た時は、唖然としてしまった…。


女性1人に対し男性が5人ぐらいいるんだから、そう思うのは無理ないよね?



 ここまで2人の違いを観たけど、ある点は共通している。

それは、2人ともを読んでいることだ。


女性向けのエロ本だってあるはずなのに…。

その辺は好みなので、僕がどうこう言う事じゃないね。


…思わず発散したくなったけど、2人のために我慢だ。

2人の相手は大変だから、1人の時に体力を消費するわけにはいかない。


余計なことを考える前に、さっさと寝よう。僕は部屋の電気を消した。



 翌日。登校前に、待ち合わせ場所に向かう。…千夏さんはまだいない。

彼女を待たせたくないからね。いなくて良かったよ。


数分ぐらい待って、千夏さんがやってきた。


「玲、おはよ」


「おはよう、千夏さん」


さて、片付けはどうなったかな? 『エロ本』のワードを出さずに訊いてみよう。


「片付けは順調?」


「それがさ~…」

言い淀む千夏さん。


何か嫌な予感がする。


「また新しい奴買っちゃった♪」


「片付ける前に!?」

預かってるエロ本はどうなるの!?


「玲。また預かって!」


どうせ、こうなると思ったよ…。


千夏さんのお願いを了承した後、僕達は登校し始める。

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