僕に課金したがる千春さん

 いつものように、3人で千夏さんの家のリビングで過ごしていると、千春さんに声をかけられる。


「玲君は、というのをしたことある?」


「課金ですか…? ないですよ」

ソシャゲをやらないし…。


DLCダウンロードコンテンツは、課金に入らないよね?


「母さん、急にどうした訳?」

千夏さんが疑問を呈する。


ゲームや漫画の知識0の千春さんが訊くことじゃないから、僕も気になる。


「実はね…、パート仲間の人が『息子の課金に困ってる』って言うのを聴いたの。千夏ちゃんはそういうのをしないから、玲君はどうかな? と思って…」


「そういう事でしたか…」

人によって、とんでもない金額を課金するのを聴いたことがある。


外国の話みたいに遠い出来事だと思ったけど、案外身近なんだな…。



 「大体さ、強くなるとか好きなキャラをGETするよりも、自分に課金したほうが良くない?」


千夏さんが指摘した『自分に課金』って何だろう?


「私にはよくわからないけど、そうするのが好きなんでしょ? でなきゃ、たくさんのお金を使わないわよ…」


千春さんの言う通り、楽しみ方や満足度は人それぞれだから何とも言えないな。


「千夏さん。さっきの『自分に課金』って何する気なの?」

訊くタイミングが来たので、早速質問してみる。


「そりゃ、自分の好きなものを買う事よ。漫画とかエロ本とかおもちゃとか…」


それって、趣味の物を買うって事だよね? と表現するほどかな?



 「私は、玲君に課金したいわね♪」

突然謎の発言をする千春さん。


僕は趣味の物を買っているから、自分にしっかり課金している。


「その必要はないですよ。もう課金してますから」


「え!?」

千春さんはともかく、何故か千夏さんも驚く。


? 何でこんな反応になるんだろう?


「玲のは、さらに大きくなるかもしれないってこと?」

千夏さんも謎の発言をし始める。


「私達をもっと気持ち良くしてくれるなんて…。嬉しいわ玲君♪」


「2人とも…、なんか勘違いしてません?」

どう考えても、2人の反応が変だ。


「お〇ん〇んの大きさを維持するために、課金してるんでしょ? サプリとかに…」

千春さんが的外れな発言をする。


「違いますよ!?」

だからなんて言い出したのか…。


「なぁ~んだ…。期待させないでよ」

残念そうな顔をする千夏さん。


「千夏さんは、が大きくなって欲しいの?」

僕的には、今のままで良いと思うけど…。


「当然じゃない! 訊くまでもないことよ。ねぇ、母さん?」


「ええ」


母娘の意見が一致する。大きすぎると、負担が増す感じがするけど…。


「心配しなくても、大きくなった分合わせるからさ♡」

僕の心配をよそに、千夏さんは嬉しそうに言う。


「そうよ玲君。私達のことを気にせず、どんどん大きくしてちょうだい♪」


…2人の熱い視線が、僕に注がれる。

期待に応えるため、『精力』関連のワードを詳しく調べてみようかな?

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