空から舞い落ちた大きなブラが、僕と彼女を引き合わせる

馬とユニコーンは類友？

　千夏さんの家のリビングでテレビを観る３人。

その時に牧場のCMが流れ、男の子が乗馬しているシーンが映る。

乗馬か…。ゲームで観たことあるけど、乗り心地は良くない印象だな～。

だって、揺れが凄そうだし…。

「ねぇねぇ玲君。知ってる？ 馬ってね…」

牧場のCM後、千春さんが話したくてウズウズした様子を見せる。

「何ですか？」

気になるから、続きを聴かせて欲しい。

「処女しか背中に乗せないそうよ」

「それ、ユニコーンのことですよね！？」

角の有無以外は似てるけどさ…。

わざと僕にツッコませるために、千春さんはボケたようだ。

「アイツら、親戚みたいなもんでしょ。馬も同じじゃない？」

千夏さんも僕達の会話に参加する。

思いっ切り、見た目で判断してるけど良いのかな？

「さっきのCMの馬だって『処女以外乗せたくねーよ』とか思ってるに違いないわ」

そんな事言われたら、馬の印象が変わっちゃうよ…。

千夏さんのこの発言は、馬に関わる人に聴かれてはいけないな。

　「処女しか背中に乗せないなんて、ワガママ過ぎるわ。贅沢なことを求めてるのがわからないのかしら？」

ユニコーントークを続ける千夏さん。

「そうよね。私だけじゃなくて、千夏ちゃんも乗れなくなったし…」

千春さんがそう言った後、母娘で僕を観る。

僕が千夏さんを乗せられなくした張本人だ。

それにしても、２人が僕を観る理由は一体…？

…ダメだ。心当たりがない。知らない間に怒らせた？

「玲、心配そうな顔しないの。アタシは、あんたが初めてで良かったんだから」

「私だって、出産後の初めてを玲君にあげられて良かったわ♪」

初めてに対する考えは、男女で違うのかな？

何はともあれ、好意的な意見で助かったよ。

　「初めてで思い出したんだけどさ…」

千夏さんが僕を観る。

「どうしたの？」

「玲の初めてって、アタシなんだよね？」

「そうだよ」

千夏さんのおかげで、童貞を卒業できたんだ。

「男は、童貞と経験者がわからないのが困るわ…」

少なくとも、女子よりはわかりにくいかな。

というか、千夏さんは何で急にそんな事を訊いてきたんだろう？

「千夏ちゃんは、玲君に初めてをあげたのよ。なら千夏ちゃんが、玲君の初めてを気にするのは当然じゃない？」

考え込んでる僕を観て、千春さんがフォローする。

「もしアタシが初めてじゃなかったら、初めてを超える気持ち良さを体験してもらおうと思っただけよ♡」

…千夏さんに落ち着きがなくなってきた。さっきからしている初めてに関する話で、ムラムラしてきたんだろう。

そういう事なら、今日初めてのHを始めよう…。