大きくなる時と場所を選ばない…

 千夏さんの部屋で漫画を読んでいる僕と彼女。

…一気読みしたから、眠くなってきたな。


キリよく読み終えたので、僕は千夏さんのベッドを背にして腰かけた。

その後、目を閉じる…。



 扉が開く音がしたので、目を覚ました僕。

どうやら千夏さんが部屋に入ってきたようだ。


「ごめん。起こしちゃった?」


「そんな事ないよ」

本当は物音がなければもっと寝れたと思うけど、文句を言う気はない。


「本当にそう? エロい夢でも見てたんでしょ」

千夏さんはニヤニヤしながら僕の股間を見つめている。


…気付けば大きくなっていた。


「違うって! これは生理現象だよ」

大体、夢を見ていたかどうかすら覚えていない…。


が大きくなるのって、朝だけじゃないの? 昼寝でもなるんだ?」

僕の隣に腰かけた千夏さんは、興味津々な様子でを見る。


「うん。絶対ではないんだけど…」

他の人はどうなんだろう?


「ふ~ん。勝手にそうなるって、案外不便じゃない?」


「まぁね。実際困ったことがあったんだ…」

話す気はないのに、口走ってしまった。


隣にいるのが千夏さんだからかな?


「そうなの? 詳しく聞かせてよ!」


予想以上の食いつきだな…。


「中学の時だよ。机に伏せて寝てたんだけど、起きてすぐ授業が始まって、起立しないといけなかったんだ。けど大きくなってたから立ちづらくて…」


「へ~。結局どうした訳?」


「その時は一番後ろの隅の席だったから、手や腕で隠して何とかなったかな。起立して礼をするぐらいの短時間だったし、バレてないと思う…」


「良かったじゃん。当てられたり、教壇に行くことになってたらバレてたわね」


「だろうね」

注目されたり歩くことになれば、ほぼ気付かれるな…。



 「自分でコントロールできないのって大変ね…」

千夏さんが同情してくれた。


「そうだね」

僕は経験ないけど、も大変だろうな…。


授業中のような静かな空間だと、絶対目立つと思うし。


「普段は小さくて、Hする時だけ大きくなれば良いのにね」


確かにそうなれば、こんな悩みは出なくなるのに。

人間の体って不思議だよな~。そう思う僕であった。

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