大事なところがかゆい

 リビングのダイニングテーブルについている3人。

千夏さんは僕の横、千春さんは前に座っている。


千夏さんは僕と話すために、こっちを向いている状況だ。

…この状態で股間がかゆい時、どうすれば良いんだろう?


「…玲。聞いてる?」

僕の顔を覗き込んでくる千夏さん。


「ゴメン、何だっけ?」

股間のかゆみに意識が集中していて、返答ができなかった。


「アタシの話、つまらない?」

彼女の表情が暗くなる…。


「違うよ。そうじゃないんだ」

千夏さんを悲しませるぐらいなら、正直に言おう。


「実は…、股間がかゆくてさ…」


「? そんなのか、薬塗れば良くない?」


何が問題なの? と言わんばかりの態度だ…。


「千夏ちゃん。玲君はね、私達を気遣ったのよ」

千春さんが補足する。


「気遣う?」


「そう。股間をかいて私達を不快にさせないようにね」


千春さんの言う通りになる。いくらズボンの上からであろうと、股間に触れた手であちこち触れられるのは、良く思わないはずだ…。


「ふ~ん。アタシ達が今更そんなこと気にすると思う?」

それでも千夏さんの態度は変わらない。


「そうよ、玲君。自分の家のようにくつろいでほしいわ♪」

千春さんも気にしてなさそうだ。


「2人とも…、ありがとう」

ここはしっかり礼を言わないとな。



 「玲君が恥ずかしいことを教えてくれたから、私も教えようかな♪」


千春さんの恥ずかしい事って何だ?


「実はね…。胸がかゆいの♪」


胸が…かゆい? 何が恥ずかしいかわからない…。


「胸の下というか中というか…。とにかく、自分の胸が邪魔で塗り薬が塗れないの」


胸が擦れたり蒸れたりして、かゆくなったのかな…?


「だからね玲君。塗り薬を塗ってくれないかしら?」


僕に頼むことなの? 千夏さんのほうが良いんじゃ?

すかさず彼女のほうを見る。


「母さんは玲に頼んだのよ。アタシは関係ないわ」


そうなんだけど…。千春さんにはお世話になってるし、力になろう。


「…わかりました。僕が塗ります」


「本当? ありがとう♪」


千春さんはそう言った後、棚から薬らしきものを取り出し僕のそばに置く。

その後、上を脱ぎ出す。…ノーブラだったのか。


「かゆいのは…、ここなの」

自身の胸を持ち上げる千春さん。


そうしないと見えない所なのか…。確かに1人では塗れないな。


…ちょっと赤いところがある。多分ここだね。

僕は指に塗り薬を少し出した後、千春さんの患部に塗る。


「あっ…」


優しく塗ったつもりなのに、急に声を出す千春さん。


「すみません。痛かったりしました?」

塗る手を止めて訊いてみる。


「違うの。薬と玲君の指の感触に驚いただけ♪」


「そうでしたか…」

なら一安心だ。塗るのを続ける。


…僕なりだけど、うまく塗れたな。


「もう良いですよ」


千春さんは胸を持ち上げるのを止める。


「ありがとう玲君。助かったわ♪」


「当然のことをしたまでです」


…さっきから千夏さんが黙っているのが気になる。

彼女のほうを向いたところ、僕の股間を見ていた…。



 「母さん。その薬って、どこに塗っても良いやつ?」

千夏さんが確認する。


「…そうみたいね」

薬の説明書きのところを見る千春さん。


「玲も股間に塗ったら?」


千夏さんがさっき股間を見ていたのは、そのためか!


「…もう大丈夫だよ。かゆくないし」

かゆくなければ、塗る必要はないはずだ。


「ホント? 強がってない?」


「本当だよ」

嘘を付く理由はないんだけど…。


「どういう状態なのか、観ておきたいわ」


「アタシも」


2人が興味津々な様子で、僕の股間を見る…。


「かゆくなくても、お肌に異常があるかもしれないわ」


「それに、のほうはちゃんと見れないでしょ? アタシ達がちゃんと見てあげる」


2人は僕を心配してくれてるようだ。

茶化してる訳じゃないなら、観てもらったほうが良いか…?


「…わかったよ。お願いしようかな」


僕は2人の前でズボンを脱ぐ。

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