人によって本当に悩む?2択
ある日の登校中、千夏さんが何気なく言った事が僕を迷わせる…。
「もし、エロかグロ、どちらかの縁を切るとしたら、どっち選ぶ?」
「千夏さん、何なの? その質問?」
そんなことを訊こうとするきっかけがわからない…。
「深い意味はないわ。玲はどっちの気持ちを優先させるかな~? と思っただけ」
気持ちか…。まずはエロについて考えてみよう。
気持ち良くなりたい・気持ち良くしてあげたいと思う事は、多くの人が抱いているはず。僕も1人よりも、千春さん・千夏さんと一緒に気持ち良くなりたい。
エロと縁を切るのは想像できないな…。
グロというのは、死闘や熱いバトルとかを指すんことだろう。
僕と千夏さんは少年漫画をよく読む。当然だけど、暴力的な描写はかなりある。
そういうシーンって、見てるとテンションが上がるよね。
それらと縁を切る…。これも出来るとは思わない。めちゃくちゃ悩むぞ。
「……」
短時間で答えが出るものじゃないな…。
「予想通り、悩んでるわね。玲はこうじゃないと!」
「…どういう事? 答えを聴きたいんじゃないの?」
今の言い方だと、答えないのが正解みたいに聴こえるけど…。
「エロを選んだら、少年漫画を読まないことになるじゃない? かといってグロを選んだら、アタシと母さんのHに興味を失くしたことになると思うのよ」
質問が極端なだけで、興味を失くすなんてあり得ないけどね…。
「結局、この質問で何を知りたかったの?」
訳が分からないことに振り回されただけだ…。
「……さっきから何なの? 意味がないと、質問しちゃダメな訳?」
千夏さんがキレ始めた…。
僕、変な事言ったかな?
「アタシは、玲と他愛無いおしゃべりをしたいだけなのに…。なのに意味ばっか求められて…。あんた、アタシと話したくないとか?」
そういう事だったのか。せっかく2人並んで登校してるんだ。
黙ってる時間は、もったいないよな。
「そんな訳ないよ。…ゴメン、気付かなくて」
千夏さんの気遣いを無駄にしてしまった…。
「アタシも言い過ぎたわ。…ゴメン」
内容はどうあれ、話せる時間・機会を大切にしないと。
「玲もくだらないことはもちろん、Hなことも訊いて良いからね」
千夏さんは笑顔で言う。
Hなことって…。登校中なの忘れてない?
「じゃあ、千夏さんの今日の下着の色は?」
Hのセーフとアウトのボーダーラインを知るために、小声で質問してみた。
すると彼女は、僕の耳元で囁く。
「黒♡」
本当に答えたな…。これぐらいなら朝飯前かも?
「そんな感じで良いのよ、おしゃべりなんて」
普段の声のトーンに戻す千夏さん。
「そうかもね…」
僕達は学校を目指し、歩き続ける…。
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