階段は妄想を掻き立てられる所?

 千夏さんと一緒に校舎に入り、階段を上ろうとする。

そのちょっと前に、女子生徒が上り始めたんだけど…。


目線を少し上げるだけで、女子生徒のスカートのすそがヒラヒラ動いている状況だから、つい気になって観てしまうな。


階段を上り終え、教室にある自席に着く僕と千夏さん。

その直後だ。彼女は僕を観ながら呆れた様子で言う…。


「あんた、オカズ探しに夢中になり過ぎ…」


この感じ、あの時と同じだな。(久々にスカートの中を見た にて)


「さっきのは仕方ないでしょ。つい見ちゃうって」

不可抗力だと思うんだけど…。


「そうかしら? 下向いて階段上れば良いじゃん。さっきのあんたの行動は、スカートの中を見たくて上向いてるようにしか見えなかったわよ」


階段って下る時は下を見て、上る時は上を見るものじゃないの?

下を見ながら上ったら、下りてくる人に気付かなくて不便な気が…。


自動で上がってすれ違う事がないエスカレーターは、下を見続けて良いけどさ…。


「この事も、母さんに話すから!」

ちょっと不機嫌に見える千夏さん。


これ、本当に僕が悪いの?



 放課後。千夏さんは、階段の件を千春さんに話す…。


「その時の状況次第だけど、スカートを穿いている人が前にいる時に、目線を上に向け続けるのはオススメしないわね。誤解されやすいから」


というのがポイントかも?

さすが千春さんだ。僕の気付かないところを教えてくれる。


「やっぱりそうじゃない! 玲、今度からは気を付けなさい!」


「わかったよ…」

千夏さんに誤解されないようにしないとな…。



 「玲にかかると、階段すらエロスポットになるのね…」

千夏さんに、四六時中エロいことを考えてるように言われた。


「男の子ですもの。それぐらい当然よね?」

それは火に油を注いでない? 千春さん。


「玲がどこでエロい妄想をするか、知る必要があるわ。正直に言って!」


千夏さんの発言後、2人が僕を見つめている。…仕方ない、言うか。


「体育館裏とかの人気ひとけのないところや、車内のような狭いところかな…」


「人気のないところと、狭いところね…」

千夏さんが復唱する。


「玲君。が入ってないけど?」

ニヤニヤする千春さん。


「僕は女子更衣室に入れないから、ノーカンでしょ。妄想のネタにはしますが…」

女子更衣室という名称だけでエロい。ネタに最適だ。


「…玲のエロい妄想を何とかするのは無理だわ」

何故か諦めた様子の千夏さん。


「どうしてそう思ったの?」

その経緯を知りたい。


「だって人気がなかったら、どこでもエロスポットになるのよ。妄想を止めさせるなんて無理じゃん!」


確かに、という条件は比較的簡単にクリアできるけど、その場所の雰囲気にも左右されるわけで…。


「そうよ、千夏ちゃん。男の子のエロい妄想を止めることはできないわ。それを考えるよりも…」


千春さんは言い切らず間を開ける。…なんか嫌な予感がする。


「私達だけをオカズをするように、教育したほうが早いわ♡」

徐々に僕との距離を縮める千春さん。


「そのほうが良いわね♡」

千夏さんも近付いてくる。


この2人、妙に行動が積極的な気がする。

多少なりとも、ジェラシーを感じているのかも?


僕もムラムラしているし、2人を受け入れよう…。

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