カタログの楽しみ方?

 放課後。千夏さんの家に寄ると、リビングで千春さんは何かを見ている。

僕と千夏さんの視線に気付いたのか、表紙を見せてくれた。


「ファッション通販のカタログよ」

もう見終わったのか、カタログを机の上に置いた。


今置かれた分を含め、2冊のカタログがある。


「アタシが気になる服があるかも…」

そう言って、1冊を手に取る千夏さん。


どうせなら、僕も見てみようかな。もう1冊を手に取り、適当に見ることにした…。



 ……読み進めていくうちに、女性の下着一覧が出てくる。

下着って、モデルの人が着る必要あるのかな?


その人の裸を想像してしまう…。


「…玲。アタシ達がいるのに、探してる訳?」

僕が見ているページを覗いた千夏さんが言う。


「玲君。浮気はダメよ♪」

アイロンがけをしている千春さんが僕を観る。


「違いますって! たまたま見ただけです!」

本当に偶然なんだよ。


「その割には、下着モデルのお姉さんを見つめてたじゃん」

ニヤニヤする千夏さん。


「アイロンがけが終わったら、いつでもベッドに行けるからね♪」


千春さん、そんなつもりないんだけど…。



 「あんたの初めてのオカズって、何だったか覚えてる?」

千夏さんが引き続きオカズのことを訊いてくる。


「その話…、まだ続くの?」

恥ずかしい思い出を暴露するだけだよね…。


「当然よ! 初々しい頃の玲を知るチャンスだもん」


「私も聴きたいわ♪」


母娘共に興味を持ったようだ…。


「…わかりました、言います」


僕を見つめる2人。変な期待を抱いてないと良いけど…。


「透けブラかスクール水着のどっちかですね」


前の席に座っている女子の透けブラを観た時は、興奮したっけ。

ブラを着けてる女子が、すごくエロく見えたな~。


小学校までは男女合同で体育をやっていたから、女子のスクール水着姿を観ることができた。そっちも捨てがたい。


「なるほどね~。時期でいうと、小4か小5でしょ?」


時期を当てるなんて…。千夏さん、凄いな~。


「うん、よくわかったね」

なんでそこまで正確にわかるんだろう?


「その頃あたりからよね? 男子が嫌らしい目で見てくるようになったのは…」


「そうそう。当時は嫌だったわ~」

千春さんも同じことを思っていたようだ。


僕は見る側・2人は見られる側だから、捉え方が違うようだ。

当時はまったく考えなかったけど、女子を不快にさせてたんだな…。



 「カタログがオカズになるんだから、男子はオカズ探しに困らないわね」

そう言う千夏さんは、ちょっと羨ましそうに見える。


確かにアダルトは見られなくても、エロさを感じる機会は意外と多い。

さっきの下着はもちろん、制服・体操服あたりは定番かな。


変わったところだと、うなじ・口紅・エプロンあたりも入りそうだ。

日常にあるものがエロく見えることってあるよね。


…よく考えたら今、千夏さんは制服姿で、千春さんはラフな格好だ。

さっきからオカズトークしてるから、2人がエロく見えてきたぞ…。


「…玲。急にアタシを見る目が変わったわね♡」

うずうずした様子の千夏さん。


「アイロンがけは終わったから、いつでも良いわよ♪」

千春さんも準備完了のようだ。


「では、2人とも行きましょうか」

僕達はリビングを出て、遊ぶことにした。

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