出会ったきっかけをいじられる

 千夏さんの家のリビングで、ニュース番組を観る3人。

…どうやら、長い間下着泥棒をしていた犯人が逮捕されたようだ。


「下着泥棒なんて最低よね!」

あの千春さんですら、怒りをあらわにする。


「ホントよ。女の敵だわ!」

千夏さんが怒るのは、そんなに珍しくない…。


特に話すことがないので黙っていると、千夏さんが急に僕を観て言いだした。


「玲が初めて母さんの下着を拾った時、盗もうと思った?」


それって、僕が初めて千春さんに会った時のことか…。

(空からブラが!? にて)


「思う訳ないでしょ! 拾ったところを千春さんに見られてたんだから」

拾って上のほうを見たら、ベランダにいる彼女が僕に手を振ったんだ。


「もし拾ったところを見られてなかったら、どうなったかしらね?」

千夏さんがニヤニヤしながら指摘する。


「どうだろう…。持ち主がわからないから、放置したかも…?」

あの時は、寝坊して学校までダッシュしてる途中だったんだ。


のんびり持ち主を探す余裕なんてなかったよ…。


仮に時間があったとしても、赤い大きなブラだけを手掛かりにして持ち主を探すなんて無理だと思う…。情報量が少なすぎるし。


「私と玲君が出会ったのは、偶然が重なったからなのね…」


千春さんの様子を観ると、思うところがあるようだ。


「そうなりますね。僕の家とこの家が徒歩圏内であることと、僕と千夏さんが同じ高校・クラスなのも偶然になりますか…」


「そんなに偶然が重なる事ってある!?」

驚いた様子の千夏さん。


「普通はないわよ…。玲君との出会いに感謝しないとね♪」

千春さんは僕を観る。


「僕もです。2人に会えて、本当に良かった!」

この縁に感謝しよう。



 ☆―――

読者の皆様。数多くの作品から今作を知ってもらえたのも、偶然でしょう。


知ってもらうだけでも大変なのに、1話でも読んでもらうのはさらにハードルが上がります。おそらく、作者・読者共に納得してもらえるかと。


皆様とのご縁に感謝を。では、今回はここまで♪

―――☆

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