なぞなぞ

 リビングで、クイズ番組の録画を観終わった僕達3人。

その後すぐ、千夏さんが僕に声をかけてきた。


「玲。アタシがなぞなぞを出してあげるわ。答えてみて」


クイズ番組の影響を受けたようだ…。わかりやすいな。


「いいよ」


☆―――

読者の皆さんも、考えてみてね。


初回なので、超簡単にしました。

―――☆



 「男は立つか座ってやるんだけど、女は座ってやるのよ。何かわかる?」


男女でやり方が違う?


「質問はまで受け付けるわ」


2回も受け付けてくれるのか。


「1回目。それは誰でもやる事なの?」


「そうよ。人間でそれをやらないことはあり得ないわ!」


断言したな…。


「2回目。女は立ってやれないの?」


「やれないことはないけど、後始末が大変ね…」


千春さんはニヤニヤして僕を観ている。答えがわかっているようだ。


……質問を2回も受け付けたのは、千夏さんの優しさだな。



 「答えは『おしっこ』でしょ」

出すところが違うから、出し方だって違うよな。


「正解。簡単すぎたわね」


「私も、問題出して良い?」

千春さんがウズウズしているな。


「良いですよ」


「問題。私が玲君と出会ったのは、ブラを拾ってもらったからだけど、では何色のブラを拾ってもらったでしょうか?」


「え!?」

ブラの……色?


「えー、玲君わからないの?」

不満そうにしている千春さん。


ちょっと待ってよ。色なんて覚えてないって…。

ここは適当に言っておくか…。


「黒!」

今まで何度も干してあるブラを見てきたけど、黒が一番多かったはず…。


「残念。正解は『赤』よ」

(空からブラが!? で確認してみてね♪)


そんな…。間違えちゃったか…。


「玲が言った『黒』は、初めてあんたをこの家に上げた時に見た色よ」

(半開きの彼女の部屋 にて)


「2人とも、よくそんなに覚えてますね」

下着に対する思い入れが凄いっていうか…。


「女にとって、下着は命なの。簡単には忘れないわ」

千春さんは堂々と言う。


『髪は女の命』っていうのは聞いたことあるけど、下着もなのか…。


「玲。これからは下着も意識しなさいよね。アタシ達、ちゃんと見てるから」


うんうんと頷く千春さん。


「わかったよ…」


僕の下着が見られるって事は、2人の下着もちゃんと見たほうが良いんだよな?

これからは、じっくりと観察しよう…。



 「これだけ言って玲がピンとこないなら、一緒に買いに行くのもアリかもね」


「それ良いわ、千夏ちゃん。今から買いに行く?」

テンションを上げる千春さん。


「ちょっと待って下さい。それって、買ってもらうことになりますけど?」

そこまでしてもらうのは、申し訳ないよな…。


「…玲君。今更そんなこと言うの? 食器だってあるんだから、もう家族みたいなものじゃない。…ね?」


「…そうですね。お言葉に甘えます」

これ以上遠慮したら、千春さんを傷付けそうだ…。


「じゃ、早速行きましょ。アタシ達も下着買っちゃう?」

千夏さんが椅子から立ち上がる。


「そうしようかしら。玲君に選んでもらおうかな♡」

椅子から立ち上がった後、とんでもないことを言い出す千春さん。


「僕がですか!?」

さっき『下着は命』って言ったのに、それを僕に選ばせるの?


プレッシャーが半端ないんだけど…。


僕は覚悟を決めて立ち上がる…。

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