誘うのは男から?

 いつものように、リビングにあるダイニングテーブルにつく3人。

僕達は、袋菓子を各自の皿に分けてから食べているんだけど…。


…僕の前に座っている千春さんが、見つめているような?

気にし過ぎかな? 気にせずお菓子を食べる僕。


「玲く~ん♡」

千春さんは甘えた声でそう言って、自分の足を僕の足にこすりつけてきた。


その足は、僕の股間に近付いたり離れたりする…。


甘えてるのはわかるけど、僕は一体どうすれば?


「…玲。母さんがわかりやすくしてるのに、無視する訳? 焦らしプレイ?」


隣の席の千夏さんが、返答に困ることを訊いてくる。


「千夏さん、どういう事?」


「この間、あんた母さんに甘えたじゃない?」

(グループディスカッション② にて)


「うん…」

あの時は、慣れないことをして疲れたからね…。


「今の母さんは、その時のあんたと同じって事!」


「でもさ、千春さんは大人だよ? 僕に甘えるなんて…」

まだまだ子供なのは自覚しているから考えにくいよ。


「大人だって甘えたくなるの♡」


千春さんはそう言うけど、いまいちピンとこない…。



 「ここは玲から誘わないとダメでしょ!」

無茶なことを言う千夏さん。


「僕から!?」


「何そんなに驚いてる訳? Hって男から誘うのが多数派じゃないの?」


「知らないよ!」

鈴華さんじゃあるまいし、2人以外にそういう話はしないって…。


「…母さん。玲から『Hしよう』って言われたことある?」


「ないわね」

即答した後、ちょっと寂しそうな顔をする千春さん。


今までのHについて振り返ってみる。

…もちろん僕が手を出すことはあるけど、きっかけを作ったのは2人だ。


2人の言う通り、僕から誘ったことはない…はず。



 「…ほら、女子って色々大変じゃないですか。だから…」

とかさ…。


「そうだけど、誘わない理由にならないでしょ!」

力説する千夏さん。


「そうよ、玲君。好きな人に求められるのは、嬉しいことなの♪」


千春さんも同じか…。


…さっきから続いている、千春さんの足スリスリが気持ち良い。

それに、物欲しそうな目が僕の興奮を誘う。


ここは、勇気を出して言ってみよう。


「ち…千春さん。え……Hしませんか?」


何だこれ! 顔から火が出るぐらい恥ずかしいぞ!!


「喜んで♡」

椅子から立ち上がる千春さん。


「できれば、もっとがっついてほしいけど…。玲には難しいかも?」

千夏さんはつぶやく。


「千夏ちゃん。焦らずゆっくり、玲君を肉食系男子にしましょ♡」


「…そうね。玲。アタシを誘う時は、さっきみたいな弱々しい感じじゃなくて、堂々と言いなさい!」


「わかったよ…」

堂々とHに誘うって…。僕にはハードルが高すぎる…。


「玲君。早く私のベッドに…♪」

千春さんが僕の手を引く…。



 ……千春さんの部屋で遊んだ後、僕達は再びリビングに戻るため扉を開けた。


その音を聞いてか、千夏さんが自分の部屋から顔を出す。


「玲、母さん。話があるから、リビングに来て!」


「うん」


「そのつもりだったわよ」



再びリビングに集結する3人。


「玲を肉食化させるには、ここに泊まってもらうしかないと思うの!」


千夏さん…。さっきの話、まだ気にしてたのか?


「泊まる…。良いわね!」

テンションを上げる千春さん。


この家には数えきれないほどお邪魔してるけど、泊ったことは1度もない。

興味はあるけど…。


「詳しいことは、母さんと相談して決めるわ。…ね?」


「そうしましょう。…やりたいことがいっぱいあるわ~」

早くも千春さんは落ち着かない様子だ。


母娘2人で盛り上がっているな~。果たして、僕はどうなるんだろう?




<<タイミングは未定ですが、お泊り編やります♪>>

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