アイスは食べ方次第? (ギャグ)

 買い物中に千春さんが「アイスを食べたい」と言ったので、千夏さんが「アタシも!」と賛同したところ、僕を含む3人分を買ってもらう事になった。


僕は千春さんにお礼を言った後、先に千夏さんと一緒にアイス売り場に向かう。

……いろんなアイスがあって迷うな。どれにしようか?


「アタシはこれ!」

千夏さんは棒付きアイスを手に取った。


チョコアイスだけど、中心にバニラアイスが少しあるらしい。

1度で2度楽しめるタイプのようだ。


「玲はどうするのよ?」


「僕は……、カップのバニラアイスにするよ」

カップアイスは食べやすいから好きだ。


僕が決めて間もなく、千春さんがアイス売り場に来た。


「2人とも、欲しいアイスはあった?」


「あったわよ」

そう言って、棒付きアイスを買い物かごに入れる千夏さん。


「僕もありました。…お願いします」

千夏さんのアイスの横に、カップアイスを入れた。


「私は……、どれにしようかな?」

少し悩んだ千春さんは、ソフトクリームを手に取った。


「じゃあ、急いで会計して帰りましょ」

千春さんはソフトクリームを買い物かごに入れた後、僕達に声をかける。


アイスが溶ける前に食べないと。



 千夏さんの家に戻った僕達は、急いでアイスを食べる。

……うん、おいしい。バニラアイスの安定感は最高だ!


おいしく食べている時、千夏さんが突然僕に声をかけてきた。


「玲。棒付きアイスとソフトクリーム、どっちがエロいと思う?」


エロい? の聞き間違いかな?


「千夏さん、なんて言った?」


「だ・か・ら、棒付きアイスとソフトクリーム、どっちがエロいか訊いたの!」


やっぱり、聞き間違いじゃなかった。


「何言ってるの? アイスがエロい訳ないでしょ?」

そんな発想、浮かんだことないぞ…。


「だったら、母さんとアタシの食べ方を観察すると良いわ!」

僕の隣に座っている千夏さんは、千春さんの隣に移動した。


僕は向かい合っている2人の食べ方を観察することにした。

今食べているのはカップアイスなので、のんびり食べても問題ない。


千夏さんは棒付きアイスを咥えて、ひたすら上下(前後)に動かしている。

まるで、僕のを咥えているような行動だ。


それに対し、千春さんは舌を出してソフトクリームを舐めている。

上だけでなく、下からすくいあげるように舐めることもあり、妙に色っぽい。



「その顔、エロさがわかったみたいね」

千夏さんが嬉しそうに言う。


「女の子の舌のテクニックは、アイスで習得するのよ♪」

ほとんど舐め終わった千春さんが、千夏さんに同調する。


「そんな事、ある訳…」


言いかけたところで思った。アイス以外で舌を使う機会ってあるか?

人間は犬みたいにペロペロしない。だから、意識的に舌を使う機会は限られる。


…なら、千春さんの言う事は正しい?

少なくとも、今の僕には否定できないな。


「で、玲。アタシと母さんのアイスの舐め方、どっちがエロかった?」

千夏さんが訊いてくる。


「そうだね……」

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