僕達だけの関係(1話完結多め)

家庭菜園(ギャグ)

 放課後、千夏さんの家に寄る僕。

リビングに行くと、千春さんがパンフレットみたいなのを観ていた。


「千春さん、何観てるんですか?」


「今日ホームセンターに行ったんだけど『初心者でも育てられる野菜』という冊子があったからもらってきたの」


「それって家庭菜園ですか? あれって、広いところじゃないと無理なんじゃ?」


「私もそう思ってたんだけど、プランター数個置けるスペースあれば十分らしいのよ。それぐらいなら、ベランダで何とかなるわね」


「へぇ~」

全然知らなかったよ…。


「ただね…、私が育てたい野菜が載ってなくて…」


「そうなの? 見せてよ」

千夏さんが、千春さんが持っている冊子を受け取って観る。


「……ホントだ。載ってないわ」


千夏さんが育てたいのも載ってないのか…。

マイナーな野菜を育てたいのかな?


「2人は何を育てたいの?」


「キノコ!!!」


声を揃えて言う、千春さん・千夏さんの2人。


キノコは野菜じゃないよ…。



 「千春さん。というのがあるので、今度ホームセンターに行く時に、店員さんに訊いてみては?」


「玲君、詳しいわね~」

千春さんが感心している。


「父が育ててるんですよ。それを観たことがあるので、ちょっとわかります」


「男子はみんなキノコを育ててるから、キノコの管理はお手の物ね」

千夏さんが僕の下を観てくる。


「玲君はキノコのプロみたいだし、ウチのキノコを育ててくれないかしら?」


「……プロじゃないけど、わかりました」



 数日後、千春さんがホームセンターでキノコ栽培キットを買ってきた。

僕は父さんのを観て、ちょっと話を聴いただけだ。


よくわからないので、説明書をしっかり読む。

…意外に簡単だと判明したので、室内で頑張って育てることにした。



それから約1週間後。栽培キットにキノコが育ったので、回収することに。

それを2人に見せたらとても喜んでくれた。早速、料理に使うらしい。


のキノコ、おいしいわね」


「そうね。のキノコ最高だわ」


何故かキノコの前に、僕の名前を入れる2人。

意味が分からないけど、面倒なので放っておくことにする。



キノコを育てるの、意外と面白かったから家でもやろうかな?

そう思う僕であった。

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