第2話 能力の確認
* 能力の確認
翌日、早速、新しい住居探しを始めたが、・・・そうだよ、お金、無いじゃん!
一応、数枚、間取り図をもらって、とぼとぼ、帰ってきた。
部屋でボーと、TVを見ていたら、ノラが現れて、紙切れをくれたよ。
何かと思えば、しっかり見なくても解る、よく見る「宝くじ」が3枚ある。しかも、最新のだね、今度の日曜日が当選番号の発表日になっている。・・・まさか?ね・・・
とりあえず、「収納」にしまっておいた。
そうそう、僕だって、いつまでも、目眩状態?では仕方がないので、いろいろ、やっているのだ。能力の検証?ってやつ。
「収納」、・・・これ最高! 絶対に、人前では使えないけど、何このチート感!?
何でも入るし、どれだけでも入るし、中身の重さも感じないし、中に入れたものが腐らない、時間経過しない、カバンに手を突っ込んで、実は「指輪収納」から出している、なんて誤魔化し方も練習した。
財布とか、お金とか、スマホとか、そういうものの出し入れには、もってこいなのだ。
「鑑定」、・・・いろいろ見るだけで鑑定・分析・解析できてしまうのだけど、少し、煩い場合には、頭に「鑑定」っていうキーワードを付けて見るようにすれば、絞り込むことが出来る、ということがわかった。なかなか便利? 料理なんか、見て鑑定するだけで、レシピや作り方、素材までわかるし、記録される。この前のマンション診断じゃあないけど、アパートでも、家屋でも、マンションでも、橋でも、なんでも鑑定、診断できる。
落とし物をして、どこだったかな?なんてものは、「マッピング」できてしまうから、難なく、拾いに行ける。誰かに取られても、追跡出来るしね。
TVでよくやっている、海難事故で行方不明とか、土砂崩れで不明とか、そういうの、任せてよ。きっと見つけられるし、きっと警察犬よりは出来そうな気もする。それに、何でも鑑定団?じゃあないけど、ものの価値、真偽判断も出来るな。
「転移」、・・・物話ではよく出てくる能力だよね、僕のは、「神級」らしいから、きっとどこか違うのだろうな、ってことで、家の中で、あちこち、「転移」しまくっていたけど、本当に、びっくり!だよ。これなら、どこへでも「瞬間移動」できそうだ。
なので、近所の公園を頭に浮かべて、「転移」で、見事にそこの上空で一旦停止している、安全を確認してから下へ下りれるような配慮かな?
まあ、下りないので、そのまま僕の部屋の中へ戻る。この場合は、部屋の上空ではなく、部屋の中を指定しているので、部屋の中へ移動するのだけど、「透明」状態だよ、誰かに見られないようにとの配慮かな?それで、OKなら、転移を完了させれば姿を表す、という仕様?
「錬金」、・・・これ使うと、いろいろ、「複製」を作れるんだよ。
試しに、一万円札をやってみたら、出来たんだけど、番号も同じ、これ、まるまる同じものができるんだ、お金の複製は、駄目!だね。複製した一万円は、シュレッダーへ。
なので、唯一持っていた、ヴィクトリア女王の金貨を「複製」してみたら、全く同じものが出来た、これ、製造番号なんて入っていないしね・・・自分で「鑑定」しても、全く同じ鑑定結果だ。きっと、これ、高価で、買い取ってもらえると思うけど、まあ、複製〇年〇月〇日とメモして袋に入れて、「収納」へ封印。
自分で使うぶんなら、まだ、精神的にも疲れないかな? なので、今度はカタログを見て、製品のイメージを固めて、「錬金創造」。新しいPCがほしかったので、やったら、出来てしまったよ。もちろん、これ、LOT番号などもそのままだから、売りに出すなんてできないけどね。早速、電源を入れて使ってみる。ああ、新しいのは、良いな、スピードと安定感が違う・・・いずれにしても、なかなか微妙に恐ろしい能力だよ、「錬金」。
「神気吸収」、・・・って普通は聞くこともない言葉だけど、確かに、指輪を付けてからの体の調子がすごく良いんだよ。これなら、多少無理しても、絶対に病気にはならないんじゃないかな?
実際には、空中にかすかにあるらしい「神気」を吸収してくれて蓄えてくれるものなんだけど、少なくとも僕の場合は、「神気」は、実際の体の活力にも関係しているのかもしれないな・・・
神獣ノラは、・・・まあ、見た目は真っ白な可愛いモフモフの猫で、たまに表に連れ出すと、近所の皆さんに評判なんだけど、こいつの能力は、「神獣神術」。神獣の使う「神術」ってことか? たしかに、僕の指輪の空間に出入りできて、中で暮らせる、なんてのは、なんでもないのだろうけど、他には、どんなのがあるのかな?
ざっと、「鑑定」しただけでも、出来ることが多すぎるな・・・
気配感知、空間感知、地中感知、水中感知、宝探し、などなど、感知能力。
近未来視、透明化、気配隠蔽、隠密、飛行、变化、変身、絶対防御、神気吸収、加重、減重、催眠、気絶、白霧、フラッシュ、回復、治療、再生、・・・・
まあ、変な、攻撃、火炎、風刃、水刃、ブレス、なんてのが、見えなかったのは幸いかな? でも、きっと、できるんだろうと思う。
と、そんなことをしながら、家では、ペットのノラと過ごして、毎日、午前中に会社へログインして、会議やら、週間報告をして、午後は、遠隔操作で、クライアントの作業補助をするなんて、結構時間が自由な勤務形態なのだよ。ま、給料はそんなに高くないけどね、拘束される時間が少ないのが良い。
夜も、早いんだけど、もう寝ようかなってベッドの上で、スマホをイジっていたら、ノラが出てきて、「宝くじ!」っていうから、そうか、今日は、番号発表日か?と思って、そのままスマホで、当選番号を確認してみる・・・・
驚いた!何度も見直した、一旦ページを更新して、再度確認した・・・
あれ? 当たりだよ、しかも、一等、前後賞合わせて、5億円だって!?
エッ、本気? マジ?
これ、ノラは解っていて、この3枚を持ってきたな〜。今回はありがたく貰っちゃおうかな? よし、明日は、午前中のログインを欠席して、銀行へ行こう。
何故か?緊張して固まった手で、書類を書いている。
「当選金は、どうされますか? 他行への振込には、手数料がかかりますが、出来ますよ・・」なんて説明してくれるが、手数料なんて、一銭もやるものか? 金利もロクロク付けないくせに、って、まあ普通に、1億円は現金でいただきましたよ、大きめのカバンを1個もっていったからね。他は、特に緊急に必要でも無いし、ということで、ここのメガバンクだね、口座を持っていなかったから口座開設をしている。銀行印や身分証明書なども全部、「収納」に入っているからね。ショルダーバッグ経由で出してみた。
すべて終わって、大きなカバンを持ち歩くのも危ないので、近くの顔写真BOXに入って、即、カバンごと「収納」にしまい込んだ。誰にも、見られていないはず。通帳なども入れておいた。キャッシュカードなどは、後で郵送されてくるらしいしね。
なんか、今さらながらムラムラと嬉しくなって、ノラに「ありがとう」って言っておいたよ。
会社は?別に、そんなにきつくないから、このままで良いかな? 辛くなったら辞めよう。
どうせ、特にやらなければならないことなんて無いからね、会社は、身分証明書みたいなものかな?
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