頑是ない

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 子供の笑顔に癒されて

 子供の泣き声に困らされて

 子供の無邪気に振り回されて

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 失われつつある言葉シリーズ②


 子供のあどけない姿をたとえて「頑是がんぜない」と言います。


 ものの善悪の判別もまだつかない、無茶ばかりのそんなころを。


 「頑」は頑固の字にも使われますが、偏屈とか、欲が深いとか、果てはおろか、悪者と、悪い意味ばかりを表します。


 「是」は「これ」ともいいますが、正しい、良いと、「頑」とは正反対。

 是非といえば、正しいことと、悪いこと。可否。(大辞林)


 つまり「頑是ない」とは、


「頑も是もない=悪いことも良いことも分からない→まだ道理を知らないあどけなさ」


 時代劇もテレビから連続ドラマとして消えて久しいですが、そこにはまだまだ味のある言葉が隠されている気がします。


 頑是ない。

 ともすれば、子供はそれで大人を困らせてばかり。


 でも、子供に大人の道理を押し付けても仕方ないと、そのあどけなさをほほえましく見れば、限度はあれど許せるのではないでしょうか。

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