涼風

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 すずかぜ

 髪をなびかせ、汗をぬぐって

 秋の訪れを告げて

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 風を表現する副詞「そよそよ」「さわさわ」や、風そのものを表す熟語も日本語にはたくさんあります。


 言葉というのは、その国の、その言語を使う人間が大事にしているものほど豊かになるそうです。


 日本は農耕を基礎にしていますから、それにとって大切な季節の雨風、天候の言葉が豊かになるのは当然の成り行きだったのでしょう。


 平安の昔、貴族文化の中から発展した和歌はまた、それを叙情的じょじょうてきに捉えてさらに言葉が表情豊かになったと感じます。


 涼風。


 「りょうふう」と読むよりも、「すずかぜ」と読めばあでやかさを感じます。

 「すずかぜ」はまた、「初秋の爽やかな、すずやかな風」と、初秋の季語ともなります。


 残暑も一段落。やっと秋の心地よさ、風景に想いを馳せられる。


 すずかぜが冷たくなってくれば、今度は木枯らし。


 冬の厳しさを呼ぶ、または迎えるのも風ですね。

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