新体制

支部予選の次の日、大会のホームページから大会の結果が見れるようになっていた。

予定のない日曜日なのでいつもよりもだいぶ遅く起き、結果を見た。


ー月曜日ー


「おはよう、弓弦はもう結果見た?」


教室に入るなり悠が近づいてきた。

やはり悠も昨日結果発表のページを見たらしい。


「もちろん見たぞ、まあ予想通りっていう感じだったな」


弓弦の言う通り風波高校弓道部の成績は当初の予想から大きくは外れず、

男子団体 優勝  16中

女子団体 準優勝 12中


男子個人 

轟 蓮  優勝 8中 県大会出場

佐藤 匠 3位 7中 県大会出場

萩原 淳    6中 県大会出場


女子個人

成宮 凛  2位 6中 県大会出場

鈴宮 朱莉 5位 5中 県大会出場


という結果だった。

俺と悠が話していると女子組も近づいてきた。


「おはよー弓弦っち!おとといの大会の話?」


「ああ、三人とももう結果は見た?」


澤田がいつものハイテンションで話しかけてきたので一応確認をする。


「ええ私たちも結果は気になって、発表の日にしっかり見たわ」


九条さんの言葉に対して伊月さんもコクコクと首を縦に振り肯定する。

それからチャイムが鳴って朝のホームルームが始まるまで、五人で大会の結果についての話で盛り上がった。


ー放課後ー


「こんにちは」


週明けの授業ということで授業の体感時間がいつもより長く感じたが、ようやっと授業が終わり部活の時間になった。

いつものように着替えを済ませて悠とともに弓道場に入る。

すると道場内にはすでに10人ほど先輩がいて、練習の準備をしていた。


「おう、弓弦と悠か」


入口に近い場所で弓を張っていた轟先輩が張った弓を置きながら話しかけてくる。


「轟先輩、個人団体優勝おめでとうございます」


「次の大会も頑張ってください」


悠が言って、俺もそれに続く。

轟先輩は笑いながら、


「ありがとう二人とも、どうにかまだしばらくは部活を続けられそうだ」


その言葉を聞いて周りを見てみると道場内にいる先輩は二年生がほとんどで三年生は2,3人しかいなかった。


「まあ、もう支部予選も終わったから今日から部長は淳になるから俺たちはもうあんまり口出しはしないつもりだけど聞きたいことがあるときは遠慮なく聞いてくれ」


そういえば支部予選で三年生は一部を除いて引退だから部内の役職等の引継ぎは支部予選の直後に行われるって先輩が前に教えてくれていた。


「県大会は五月末だから意外と時間がないんだよな....」


今日が4月30日で明日からはもう5月、つまりもう一月も残っていないのだ。

さらに三年生は今年受験なので学校生活のほうも忙しくなる。


「じゃあとりあえず部活の準備をするぞ」


ー数十分後ー


「よーし、今日も今日とて素引きだ~」


部活も始まり早速素引き練習に入る。

ここ一週間ほど素引きをしているおかげか最初は重く感じた弓も休憩なしで引ける時間が長くなってきた。


「でもやっぱり早く的前で引きたいよね」


隣で一緒に素引きをしていた悠の言う通りで、必要なことだということはわかっているのでしっかり練習はするが、それはそれとして早く先に進みたい。


「まあまだ一年生は全員素引きだからしょうがない」


なんだかんだで今日もしっかり練習するのだった。



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