第25話ついに....
カラオケ交流会から二週間がたった。
俺はゴム弓のテストも合格して巻藁練習に移っていた。
巻藁は弓道場の横に4個しか置いておらず、先輩も練習で使うので練習スピードはだいぶ落ちてしまったが、弓を引けるというだけで楽しい。
最初に素引きで弓を引いたときは軽い弓と聞いていたのに数回引いただけで肩と腕が痛くなってしまった。
しかし、それは慣れというものの力で一週間もするころには適度な休憩を挟めば連続で練習できるようになっていた。
「そろそろ練習終わるから片付けろー」
どうやら今日の練習はここまでのようで気が付くと日もオレンジ色になっていた。
急いで弓の弦を外し借りていた
「挨拶するから座ってください!」
轟先輩が呼びかけると全員作業をやめて射場に並んで座る。
「何か連絡のある人はいますか?.......じゃあ佐藤さんお願いします」
「はい、えー皆さんついに明日は総体の支部予選ですね。中には調子があまりよくないって人もいるかもしれないけど、もうここまで来たら楽しんで引いてきな!今日はゆっくり休んで明日頑張ってください」
明日は三年生にとって最後の大会となる総体の支部予選だ。
もし明日県大会への出場権を勝ち取れなかったらその時点で先輩たちの引退が決まる。
支部予選は会場があまり広くないらしく一年生は観戦できないらしいので家でネットの結果発表を見るしかない。
「では綾瀬先生お願いします」
「はい、皆さん最近は忙しくて部活に来られませんでしたが佐藤さんに様子は聞いています。皆さんの努力は本物だと思うので、明日それを他校の方々にも見せつけてきてあげてください」
今日は珍しく綾瀬先生が来ていた。
最近は落ち着いてきたらしいが、やはり新学期になると先生は忙しくなるものらしい。
「.....ありがとうございました!!」
「「「「ありがとうございました!!」」」」
「ふー、先輩たちどうだろうね?」
悠と一緒に帰りながら明日の支部予選について話す。
「まあAチームは順当に県大会行きは決めると思うし個人でも何人かは突破すると思う」
俺は弓道の大会に出てことはないのでわからないが、大会の緊張込みでも普段の練習を見る感じあの人たちが予選でポカをする光景は想像できない。
「でもせっかくだから見に行きたかったよね?」
会場の広さの関係なのでしょうがないが、悠の言うように大会を見に行きたかったという気持ちはある。
「まあでも県大会の会場は観戦席もしっかりあるらしいし、一年生も希望者は観戦可らしいからそれまでお預けだな」
その後は部活以外のとりとめもない話をしながら途中まで一緒に帰り別れ、家に帰ってからは普通に課題をしたりしていつも通り布団に入るのだった。
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