第23話休日
悠:今日午後からみんなでカラオケ行かない?
レナ:いいよ~
九条:どうせ予定もないしいいぞ
伊月:私も行けます
朝(10時半)に目が覚めてスマホを開くと通知がたまっていたのだがあいつらなんで当日の予定をその日の朝に決めるのか、まあ俺も予定はないのだが
弓弦:悪い今起きた、俺も行ける
とりあえず返信だけしてだいぶ遅い朝ご飯を食べる。母さんはどうやら出かけているらしく静かな部屋で一人ご飯を食べるのは少し寂しいのでテレビをつける。
「今日のゲストは佐々木 当夜さんでーす」
テレビから司会の女性の元気な声が聞こえてくる。
「いやー当夜さんありがとうございますこんな番組に出ていただいて」
自虐気味に話を振る視界に愛想のいい笑みを浮かべて答えるゲスト、俺はあまり有名人に詳しくないので知らない顔だ。
「それではさっそく当夜さんに質問をしていきましょう。当夜さんといえば某音楽ランキングで3週連続一位となりましたが、当夜さんの歌手になった動機をズバリ聞かせてください!」
どうやらテレビの中のイケメンは最近人気の歌手だったようだ。あまりそっち方面に興味がないので全然知らなかった。その後も司会の女性の質問に男が答えていくのを見ながら、弓弦は朝ご飯を食い終わった。
悠:じゃあ1時に駅前のカラオケに集合でいいかな?
レナ:おっけ~
九条:それでいい
伊月:分かりました
どうやら詳しい予定も決まったようなので弓弦も返信だけして着替えたり歯を磨いたりする。
現在の時刻は11時、弓弦の家から駅前のカラオケまでは歩いて15分ほどなので時間はまだまだたっぷりある。
ということで自分の部屋で授業の予習をすることにした。
弓弦は中学時代はほとんどの時間を部活に費やしていたので特に勉強大好きというわけでは無い。
しかし入学したてで特別難しい範囲ではないとはいえ、中学の頃の先輩にどんどん難易度と授業ペースが上がっていくぞと忠告されていたので予習する分には損はないだろう。
勉強もひと段落ついたところで机の上の時計を見てみると12時過ぎになっていた。
先ほど遅めの朝ご飯を食べたので軽めの昼ご飯で済ませて家を出る。
駅前のカラオケには集合時間より10分近く早めについてしまったが既に入り口の横に立つ花村さんの姿があった。
「早いね花村さん」
「!あ、神宮司君!」
どうやら向こうは俺が近づいてくるのに気づいていなかったらしく、声をかけると一瞬ビクンと肩がはねていた。
「そういえば飛鳥さんじゃないけど、名前呼びでいいよ?」
金曜日の飛鳥さんと澤田の絡みを思い出しつつ言う。正直神宮司って呼ばれることがあまり無かったせいで違和感がすごいのだ。俺が言うと何故かちょっと顔を赤くして
「えっと、弓弦君?」
「おう、こっちのほうがしっくりくる」
「私も、その....名前で呼んで?」
「じゃあ伊月さん」
特に名前呼びに抵抗はないので躊躇なく呼ぶと何故か伊月さんの顔がさらに赤くなる。と同時に後ろから俺の肩に誰かの腕が回される。
「何この雰囲気?僕たち邪魔だった?」
後ろを向くとそこにはにやにやした悠と飛鳥さんがいた。二人とも電車通学で同じ方面の電車なので来る途中に駅であったのだろうが、どうしてそんな気持ち悪い笑みを浮かべてるんだ?
「飛鳥ちゃん!?別に何でもないよ!じn....弓弦君も早くついてたからしゃべってただけだよ!」
初対面からまだ一週間もたっていないが伊月さんがこんなに大声出すのは初めて聞くな。
「まあそういうことにしといてあげる.....相談事があったら玲奈と一緒に聞くからね」
飛鳥さんが何やら伊月さんに耳打ちすると伊月さんの顔が再び赤くなった。伊月さんはそういう体質の人なのだろう。
因みに澤田は五分遅刻した。
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