第9話仲間

とりあえず俺が変態のレッテルを貼られる事態は回避できた。

俺は元々先輩にみんなを弓道部のグループに誘うようにと言われていたので一番最初にに降りてきた女子たちにLINE交換をと話しかけてそのままFの女子も呼んでもらった。


「うーん親睦会自体は私達も賛成なんだけど焼肉は制服に匂いがついちゃうからなー」


後ろに控えている使い物にならない悠に聞くと別に焼肉であることにこだわりはないようなのでファミレスで親睦会ということで決まった。



「と言うわけでこれから切磋琢磨する仲間にカンパーイ!」


今日は部活が早めに終わったと言うこともあって現在時刻は6時前流石にこの時間からファミレスが混雑すると言うことはないのですぐに席に着くことができたのだが何故か俺が乾杯の音頭を取ることになってしまった。


「ねえねえ私男子組のことよく知らないし自己紹介しない?」


みんなが一口飲んだタイミングで少し雰囲気がギャルっぽい女子が言う。

それに皆賛成したので、


「じゃあ私からねー

私は澤田玲奈盟和中出身で本当はバレー部に入る予定だったんだけどね...ちょっと中学の時に色々あって気まずい先輩がいて弓道部に変えたんだーとりあえずこれからよろしくね!」


澤田さんがそう締めると皆で軽く拍手をする。


「じゃあ次は私ね!

私は九条飛鳥小学校の時から弓道部に憧れてたんだけど中学は流石に弓道部がなくてね...

と言うわけで高校は弓道部があるところを選んで来たんだ。勿論本気でやるからよろしく」


九条さんは女子の中では身長が高くて運動部っぽい雰囲気の人だった。

拍手が収まると


「私は花村伊月です...飛鳥ちゃんに誘われて弓道部に入りました.....えっと.....とりあえずこれからよろしくお願いします」


花村さんが律儀に頭を下げる。

花村さんは眼鏡をかけて図書委員とかにいそうな文学少女っぽい雰囲気だ。


「じゃあ次は僕だね。

僕は田原悠、南中出身で元は野球部だったんだけど受験ですっかり体力が落ちちゃったしここの野球部は強制じゃないけどみんな坊主だからちょっと入りにくくて、新しい事を始めようと思って弓道部に入ったんだ。

これからよろしくね」


悠はどうやら女子とも1on1じゃなければ話せるらしい(自己紹介は会話とは言わないだろうが)


「俺は神宮寺弓弦、明子中学出身で中3の夏に弓道してる人を見てからずっと気になってて見学に来てこの部活に入ろうと決めたんだ。

俺も九条さんと同じでやるからには全力で取り組むつもりだからよろしく」


と俺の自己紹介が終わるとちょうど全員分の料理が来た。

と同時にぐうっと誰かの腹が鳴る。


「じゃあ話は食べながらにしようか!」


何故かは分からないが顔を赤くしながら九条さんが勢いよく言う。

みんな苦笑しながらそれぞれの料理に手をつけるのだった。

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