第10話雑談
「へー意外だね?」
全員料理も食べ終わり悠の当初の目的通り5人は互いについて話していた。
「そうですかね?」
今は見た目と喋り方が完全に文化部な花村さんが中学の時はバスケ部のレギュラーだったという話になっていた。
「なんていうか伊月っちは美術部とかでゆっくり絵を描いてそうなイメージだったかもー」
そう言う澤田さんも中学では生徒会長をしていたらしい。
やはり人は見た目によらないものだなと思う。
「弓弦は何かないの?」
ずっとみんなの話を聞いて反応を返すだけだったが、悠にそう言われてそうだなーと首を捻る。
「何かって言われても俺は中学ん時はテニス漬けで特にこれといった話もないんだよなー」
そう返すと九条さんが
「神宮寺くんもテニス部だったのね?
実は私もなの、って言ってもそんなに強くはなかったけど」
九条さんは自己紹介でも言っていたが中学は弓道部がなかったので小学校の友達に誘われてテニス部に入ったらしい。
花村さんとは中3の時に同じクラスになって仲良くなったので実は互いにまだ知らないことも多いらしい。
「ねーねー弓弦と悠ってさー彼女とかいるの?」
一度話に区切りが付いたところで澤田さんがニヤニヤと、とても楽しそうな顔で聞く。
その問いに俺と悠は顔を見合わせて
「いやー僕は中学までは野球部の中にいたから女子と話す機会は無くってね」
曖昧な笑みで濁しているがただ女子と喋るのが苦手なだけだろうというのは今日初めて会った俺でも分かる。
「俺もさっき言った通り中学の時は部活一筋だったからなー」
と、特に面白みもない返事をすると
「なんだーつまんないのー、じゃあそっちのお二人さんは?」
「私は男子の知り合いは多いけどそういう関係の人はいないわね、でも伊月は中学から人気だったわ」
すまし顔でそう言う九条さんに顔を赤くした花村さんが
「いや....私より九条さんの方が人気だったよ」
と九条さんの脇腹を突く。
まあ多分両方ともモテていたんだろう。
悠と顔を見合わせてちょっと悲しくなったところで店内に客が増え始めた。
「そろそろ人も増えてきたし邪魔になりそうだから解散にしよっか?」
俺がそう言うと皆も賛成し会計を済ませて店の外に出る。
「俺は家向こうだからまた明日な」
俺以外は皆電車通学なので駅の方に向かうので俺とは逆方向だ。
「そうなんだねじゃあまた明日」
「えっとそれじゃあ.....」
「また学校でね」
「じゃあねー」
そう言ってみんなと別れる。
そのまま家に帰ると母親がニコニコしながら詰め寄ってきて、
「よかったねー弓弦ー友達はできたの?
可愛い子いた?」
とマシンガンのように問いかけて来るが適当に返して二階の自分の部屋に入る。
スマホを見ると悠からLINEが来ていて
悠:そういえば皆でLINE交換するの忘れてたからグループ作っといたよー
あーそういえば忘れていた。
見るとグループの招待が来ていてグループ名は“1ーF弓道部”となっていた。
ついでにと部活の一年用のグループも招待が来ていたので両方承認してスタンプを送っておく。
ついでに正直めんどくさいが全員弓道部全体のグループに招待すると疲れからか瞼が重くなり制服から着替えることもなく寝てしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます