第26話 修行 新スキル実験



「――よし。今日はここまでかな。午後に用事もあるから、片してお昼ご飯でも食べるか」


 いつも通り午前中の仕事を終えた須藤は独り言ちる。


 レイン達が『王都』に旅立ってから3日が立った。その間も『個人商業』を続けていた。今のところはレインが言っていたような魔物達の動きは特にない。

 ただ油断は出来ない。前回のレッドワイバーンの襲撃も突然だった。なので今日は午後は丸々休みにして覚えた新しいスキルの試運転をしてみるつもりだ。



 レッドワイバーンからの襲撃からレベルも上がり新しいスキルも覚えた。が、商人として色々と覚えることもあり、自分の修行そっちのけで今日まで過ごしていた。

 商人もいいが、修行をサボるといざという時にしっかりとしたポテンシャルで戦えないと思い、今日は修行日と決めていた。




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スカー・エルザット 18歳 男(須藤金嗣 15歳 男)


L v.:35

種族:人種

職業:商人(※特殊職業:【転売ヤー(時空間魔法)】)


体力:700

魔力:20000(590000)

スタミナ:700

筋力:1050

防御力:700

魔防御力:700

素早さ:2450

運:100


加護:なし(異世界神の加護)


スキル: 成長速度上昇 体術lv.5 魔力制御 魔力上昇 鑑定 (時魔法lv.4【使用魔法:ロック・スロウ・アンロック】(使用魔力400 レベルに応じて変化) 空間魔法lv.4【使用魔法:インベントリ・空間把握サーチ空間掌握ロール】(使用魔力400 レベルに応じて変化)時空間魔法lv.3【ルーム・空間断裂スピリットエア第六感センス ※時空魔法と空間魔法が使える様になる】(使用魔力1500 レベルに応じて変化) 無詠唱)


(ユニークスキル:異世界言語能力(異世界の言語が理解できる))


(エクストラスキル:メルカー(スマホで地球と同じフリマアプリができる。買えるもの売れるものは自由。自分のお金か魔力で購入、売却))



属性:なし(時・空間)


持ち物:学生証・スマホ(異世界仕様&充電は魔力 破壊不能オブジェクト)


所持金: 650万ウェン


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 『ステータス』はこんな感じで、新しく覚えたスキルは【アンロック】【空間把握ロール】【第六感センス】の三つだ。


「――レベルもかなり上がってるな。他のステータスも中々。でもやっぱり『魔力』だけが抜きん出てるな」


 お昼休憩を終えた須藤は自分のステータスを久々に見て感嘆の声を上げる。


「じゃあ、さっそくスキルの確認でもやっていきますか。まずは――【アンロック】だな。確か全ての物を「解放」「解除」するだっけ? 名前からしても【ロック】の反対みたいなスキルだな。説明だけじゃわからんし、これでも開けるか」


 そして須藤がポケットから取り出した物は――「火○るの墓」で有名な「さくま○ップ」の缶だ。


 昨日、スマホで「日本」の物を【メルカー】で閲覧していたらまた懐かしい物が売りに出されていたので即買いした。ちなみに値段は一缶「500円」と「バイヤー価格」だったが、まぁ自分も「転売ヤー」みたいなことをしてるから目を瞑った。その際に面白い物も見つけたので今後必要になる時が来るかもと思い『魔力』『現金』を使い買い占めておいた。


「これ、昔は全然自分で開けられなかったんだよな。『筋力』が上がっている今だったら余裕だろうが、物は試しだな。よし――【アンロック】」


 「さくま○ップ」の缶を左手に持ち、【缶の蓋を開ける】というイメージをしてスキル名を使う。すると――「カチッ」という音が鳴る。そして一人でにあの硬い蓋が浮き、すぽっと音が鳴る。


「おお、凄い!――いや、まあ、多分こういう使い方ではないのは承知だが。使い方を見れただけでも」


 蓋が開いた「さくま○ップ」を逆さにして飴を一粒出す。コロンと須藤の手のひらに転がってきた飴は……「ハッカ味」だった。


「――別に嫌いじゃないけどね。ハッカ味。スースーした味がまた美味しいし」


 出てきた白い飴を口の中に入れ転がす。


 いやー、でも「さくま○ップ」はよく買ったな。パイン味とイチゴ味が食べたくて買ったんだけど……今まで買った中で一度も出たことないんだよな。8種類の中でハッカ味とメロン味が6個ずつ。後は2個や1個。又は入っていない確率があるってこれ如何に。


 懐かしい思い出に浸りながらも「さくま○ップ」の缶をポケットの中に戻す。


「お次は【空間掌握ロール】か。物を「支配」すると言われても実際わからんな。確か距離は――そうそう、一メートルだな」


 【空間掌握ロール】の距離を忘れていた須藤は『ステータス』を開き、項目をタッチして確認する。


「使ってみるか。行くぞ――【空間掌握ロール】!」


 「支配」と書いてあるので攻撃のスキルだと思った。なので右手を前に出す。声高らかに。



        【……】 



 反応なし。



「――うん。まだわからんぞ。【ロック】の時も成功していないと思って痛い目をみたからな。今回は慎重に――」


 そう思い右手を出した前方。そして周りをくまなく調べる。調べる。調べる。調べる。



 そして数分後。



「――な、何も起こんないんだけど。どうなってんのさ。いや、待て不発じゃないのはわかっている。『ステータス』を見て『魔力』の数値が減ったのを確認した。考えろ。考えるんだ。支配。支配――――!」


 【空間掌握ロール】を数回発動して『魔力』の数値を見たら使った分はしっかりと消費していた。そのことからスキルが発動しているのは確かだ。ただ自分は何かを見落としているだけ。そう思い考えていた時、あることに気付く。


 このスキル【空間掌握ロール】は、だ。そう「物」を「支配」するのだ。


 何かに気付いた須藤は前方にもう一度右手を翳し、成功する確信を持ち、唱える。


「――【空間掌握ロール】。そして――【俺の周りの空気よ俺を浮かせろ】」


 すると確かにフワリと自分の体が宙に浮く。


「ははっ!――正解みたいだな」



 自分の今の状況を確かめた須藤は笑う。


 このスキル【空間掌握ロール】はその名の通り、自分の周り一メートル以内の「物」を「支配」するのだと。


 【ロック】も同じで「物」=「空気」も範囲内だったので出来ると思った。




「――このスキル凄いぞ! まだ慣れていないからアレだけど――慣れたら空も飛べそう!」


 フワリフワリと宙に浮きながら笑う。


 某少年漫画風に空を飛ぶ。


 今は【空間掌握ロール】の扱い方が少し慣れたのか足が地面から離れた状態で横移動を繰り返していた。そんなに動きは速くないが今後コントロールが上手くいけばもっと速く動けそうだ。それにまだまだ色々なことをやれそう。


「――ふぅ。ただ結構神経使うな。今回は【空間掌握ロール】の時間が一回の発動につき10分使えることがわかった。そのことはとても良い収穫だが、今度時間ある時に要練習だな。そして――」


 『ステータス』を再度開き、最後のスキルを見る。



       【第六感センス




 スキルの説明は「勘」の一言だ。他にも自分が物事の本質を掴む時に「自動」で使う、と書いてある。そのことから『自立型』で【空間把握サーチ】の様な物だと思っている。


「――推察に過ぎないけど。このスキルは使使じゃないと思う。多分【空間把握サーチ】と似て俺の危機又は周りの危機に反応する系だな」


 そう思うことにした須藤は【第六感センス】を自分から使うことすらせずに【空間掌握ロール】の練習に励む。



 使

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