第5話 スキル確認



「――グズグズしてる暇はない。神様と約束した。俺はもう、挫けない」


 自分自身に誓う。そして今出来ることを模索する。

 そこには泣きずらを腫らした須藤の姿はなかった。今は前を向き、自分の運命に争う。


「まず俺の最終目標は『エリクサー』を手に入れて地球に戻る。その過程でスキルを上げる――ということは、スキルの確認からやるか。神様は確か右手を出して『ステータス』と言えば――出た」


 神様に言われた通り、さっそく自分の『ステータス』を表示される為に実践すると成功する。


 神様の言うことなので心配はしていない。だが実際成功するとホッとする。


 目の前には半透明だがしっかりと自分の目で視認できるステータス画面が現れる



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  須藤金嗣(15歳 男)


L v.:1

種族:人種

職業:商人(※特殊職業:【転売ヤー(時空間魔法)】)


体力:100

魔力:50(5000)

スタミナ:50

筋力:50

防御力:50

魔防御力:50

素早さ:30

運:100


加護:なし(異世界神の加護)


スキル: 成長速度上昇 体術lv.1(時魔法lv.1【使用魔法:ロック】(使用魔力100 レベルに応じて変化) 空間魔法lv.1【使用魔法:インベントリ】(使用魔力100 レベルに応じて変化) 時空間魔法lv.1【ルーム・空間断裂スピリットエア ※時空魔法と空間魔法が使える様になる】(使用魔力500 レベルに応じて変化) 無詠唱)


(ユニークスキル:異世界言語能力(異世界の言語が理解できる))


(エクストラスキル:メルカー(スマホで地球と同じフリマアプリができる。買えるもの売れるものは自由。自分のお金か魔力で購入、売却))



属性:無(時・空間)


持ち物:学生証・旅装束一式・スマホ(異世界仕様&充電は魔力 破壊不能オブジェクト)


所持金:15000ウェン


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「――さっき見た物と変わりはないな。ただよく見ると【ルーム】を一度使ったのに魔力が減っていない――神様が介入したからとか? まあ良い、それも検証するからな。よし。そして、見たいスキルをタッチ、と」


 『時魔法』の【ロック】を指でタッチしてみる。すると文字が浮かぶ様にその効果が表情される。



 ・ロック:自分の手で触れた「物」を固定する 使用魔力100



 わかりやすくも簡素的な内容が書いてあった。


「……説明を見てもパッとしないな。まぁレベル1で覚えているスキルだからな。他も見るか――」


 そう思い気になるスキルをタッチしていく。



 ・時魔法:時を操る魔法 レベルに応じて使用魔力変化


 ・空間魔法:空間を操る魔法 レベルに応じて使用魔力変化


 ・時空間魔法:オリジナルスキル この世で唯一のスキル 時と空間を司る レベルに応じて使用魔力変化


 ・インベントリ:亜空間に繋がる空間(別名、アイテムボックス。中に魔力分の物を収納可能。空間内は時間が止まっている)使用魔力100


 ・ルーム:使用者しか入れない空間を作る(任意で人の出入りは決められる) 「解除」と口にすると元の世界に戻れる。この空間には空気も存在し、外界と完全に離された空間。中にいる間は時間が緩やかに進む ※破壊不能オブジェクト 使用魔力500


 ・空間断裂スピリットエア:空間にある物を全て断裂させる 使用魔力500



 一応、一通りスキルを見た。


 スキルを見た須藤の感想は――


「――うん、チート。やっぱりチートだわ。俺も昔ゲームを齧ってたし、ラノベも読むからなんとなくは効果は知っていたが……中でも【ルーム】と【空間断裂スピリットエア】がヤバい臭いが香ばしい……」


 そう呟くと、またスキルをまじまじと見る。


「【ルーム】に関しては今スキルを使っている。時間が緩やかになる、ねぇ。どのぐらい時間の差があるかわからないけど、自分以外の外敵から干渉不可なのは最高だわ。それに破壊不能オブジェクトって、これ最強じゃん」


 自分が今立つ空間を足でふみふみする。


「――ただ、【空間断裂スピリットエア】。これが一番怖い。なんだよ、空間にある物全てを断裂するって……多分、というか絶対に攻撃系だが、人に使うのは辞めとこう。後は――」


 自分のスキルに怯える須藤は気持ちを切り替えて最後に気になっていたスキルをタッチしてみる。



 ・メルカー:オリジナルスキル この世で唯一のスキル(地球にあるフリマアプリ……と似た物。使用する時はそのスキル名を口にするだけ。買えるもの売れるものは自由。自分のお金か魔力で購入、売却)



 自分のステータス画面に書いてある似たような文章が出てきた。


「――これ以上の情報はないと。神様も言ってたけど、地球の頃の【メルカー】と同じ――『承認』――は?」


 自分が話していると、いきなり『承認』とそんな機械の音声が何処からか聞こえてくる。完全なる不意打ちに須藤は動きを止める。

 そしてよく見ると、自分のズボンポケットに入れているスマホが発光していることに気付いた。


 わからないがスマホを手に取って電源を入れてみる。


「――凄え、異世界なのに【メルカー】が出来る。アプリとかは【メルカー】以外何もないが……それにしてもWi-Fiも無いのにどうやって接続してるんだ?……ま、いっか」


 特に多くは考えない須藤は


 「メルカー  お客様  ようこそ」


 という見覚えのある画面を見る。


「でもこれ、使い方は同じだろうしそこは問題ないけど、どうやって止めるんだ? さっきから電源ボタンを押してんのに消えないんだが……【メルカー】電源オフとか……?」


 スマホの電源ボタンをさっきからずっとカチカチしながら、そんな言葉を言うと『承認』というさっきと同じ機械の音声が聴こえ、スマホの電源が落ちる。画面は真っ暗になる。


「――当たってんのね。そして自動とか。迂闊に……口にできんな」


 そう思うと【メルカー】は一旦置いといてまずは他のスキルを確かめてみることにした。スキルの使い方などわからないはず。なのに異様に自分でスキルを使えるような感じがするのだ。

 その衝動に駆られるように、一番安心だと思った【インベントリ】を使うことにする。








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