第12話 渇き

俺は夜が明ける最中、

無駄に起きて寝惚けた頭を起こそうと

家を出た。


歩きながらずっと考えていた。

いや、考えさせられていたのだろう。

高谷という男からの電話。

やはり俺は沢村ではないし

高谷なんて名の奴は知らない。


とりあえず喉の乾きを癒そうと

少し先に見える自動販売機へと

足を向けた。


20秒も歩けば自動販売機の前に着いた。


自動販売機は新聞販売店の横にあり

新聞を配り終えたであろう

男が2人、談笑していた。


俺は缶珈琲を飲み干し、

帰ろうと男達の前を横切った。

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