第5話 招かれざる客

「何て午前様だ…」


まだ雨の降りは強くなく、

小さな雨音が部屋に響いている。


ウトウトと寝そうになったが

高谷と言う奴の言葉が気になる。


「待っていろ?高谷って誰なんだ?」


どのくらい時間が経ったのだろうか?

小さな雨音に交じる静かなエンジン音。


多分、4ストロークエンジンを

載せたバイクだと思われる排気音が

ウチに向かって来ている様に聴こえるだが…

高谷か?

高谷がウチに向かって来ているのか?


俺は高谷が何者なのかは知らない。

だが、待っていろと言われたが

間違い電話だと思っていた。

だがいきなり間違い電話の相手が

見知らぬ俺の家に?


そしてウチの前でバイクが停まると

誰かが走って来た。


鉄製の古い階段を駆け上がる足音。


「急ぎの仕事(殺し)か?」


俺はサバイバルナイフを持ち、

静かに玄関のドアに近づいた。

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