第4話 ボタンの掛け違い

俺は咄嗟に答えた。


「沢村?いや、違いますが?」


すると相手は


「落ち着け沢村!高谷だ!

    俺はわかっている!

      何も言わずに待っていろ!」


と言って通話を切った。


高谷…高谷…高谷…高谷…?


そんなやつは知り合いにはいないが…

それに俺は沢村ではない。


間違い電話か?

間違いなく間違い電話だろう。

間違いなく間違い電話…

間違いなく間違い電話…

間違いなく…フッ…。


間違いのない間違いの様で

笑えないジョークを思いついた

自分の間抜けさに口元が緩んだ。


しかし、待っていろと言われても

知らない奴を待つ程暇ではない。

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