第11話 - ウサギとカラス






F~Eランクの魔物と闘う許可を得て、早速朝の5時間に森へ入った。


ヒーゼルに索敵をしてもらい、スライムを倒しながら他の魔物を探していると、

早いことに目的の奴らを発見。


正面からこちへ向かてくるのは3匹のウサギだった。


(二度目の魔物は荒らしウサギか)


―――――――――――――――――――――


【ステータス】

【名前】: 荒らしウサギ

【種族】: 魔物

【ランク】: F

【レベル】: 5


HP: 272 / 272

MP: 8 / 8

攻撃: 65 防御: 52

魔攻: 13 魔耐性: 13


筋力: 8 [8]

魔力: 1 [1]

知力: 4 [4]

速さ: 10 [10]

器用: 4 [4]

運: 10


【スキル】

- ? ? ?


―――――――――――――――――――――


(うむ、図鑑と大体合っている。そしてスキルは土魔術だけど、レベルの低い個体は使えないことが多いっだったか)


このウサギは弱くて、一匹の時は子供からも逃げるだが、村とかの畑に縄張りを

作り、数が増えたら人を襲うようになる。そして畑の食べ物だけじゃなく、その土

も痛めてくるから厄介な魔物だ。


(近づいてきたな)


荒らしウサギの3匹が5メートルまでに近づけた。

情報では魔術が使える個体ならこの距離で撃て来るそうだ。そして案の定、1匹の

ウサギは足を止まり、魔術を使ってきた。


そいつの前に茶色の小さな魔法陣が現れて、そこから10センチくらいの石が

俺に向けて撃ったれた。


ドゴッ!


レベルが低いからか、石っというより土の塊が盾に衝撃した。子供が全力で石を

投げてくるくらいのものと見た。


(威力は盾で防いだら問題ないが、頭にぶつかったらやばいな)


魔術を防いだ直後に他の荒らしウサギが攻撃が届くくらいの距離へ到達した。

そいつらに自分から一歩を踏み出し、剣を右の奴に振り下ろした。


「はあっ!」


左の1匹への威嚇のつもりで声上げったが、構わずに俺の足に噛みつこうとして

きた。良かったことに俺の方が早かったので避けることが出来た。


1匹目が死んだのを確認して、剣が届く距離までに2匹目を蹴り、また剣で

殺した。最後の1匹はもう魔術を使えないのか、他の2匹同様、噛みつき狙いの

体当たりをしてきた。


以外に強い体当たりを盾で防ぎ、そいつにも止めに剣を振り下ろした。


「ふう…」


(最弱っと言われている魔物相手だが、以外にも冷静に闘えるな、俺)


小さな勝利の喜びを感じながら、ドロップボックスを拾った。

荒らしウサギのドロップは銅貨2枚で、合計銅貨6枚の戦果だった。


そして荒らしウサギの死体だが、ゲームみたいに消えるっということはない。

ちゃんと血の通った生き物で、今も地面に無残に転がっている。


(ヒーゼルにお願いして、解体の方法を教えてもらうか)


スライム同様、全ての魔物の中には魔石がある。

魔石にはその魔物と同じ属性の魔力があり、それを使って、鍛治師たちが

エンチャント武具や、日常生活に使う魔導具を作っている。だから魔物を

解体して、その魔石を取るのも大事な仕事だ。


こうして、解体したウサギ達を夕飯のために騎士達に渡した後、探索を再開した。


………

……


更に探索を続いて十数分、新たな魔物を見つけた。


(あれは闇カラスだな)


少し離れたところにカラスが地面をつついている。

そいつは普通のカラスみたいだが、くちばしは黒い赤色をしている。


(十メートルくらい離れているが、鑑定できるかな?)


音を立てないように近づき、魔物鑑定を使ってみた。


―――――――――――――――――――――


【ステータス】

【名前】: 闇カラス

【種族】: 魔物

【ランク】: F

【レベル】: 4


HP: 168 / 168

MP: 8 / 8

攻撃: 53 防御: 41

魔攻: 22 魔耐性: 22


筋力: 4 [4]

魔力: 1 [1]

知力: 5 [5]

速さ: 7 [7]

器用: 12 [12]

運: 10


【スキル】

- ? ? ?


―――――――――――――――――――――


(うむ、弱いけど、図鑑通りの器用さだな)


このカラスの魔物はステータス通りに弱いだが、問題は戦闘の時じゃない。


そいつは寝ている人の持ち物を盗む習性がある。

そこまでなら光るものを取る、普通のカラスみたいだけど、怖いのはここからだ…

もしも盗んでいる途中で起きたら、あの赤いくちばしでその人の目玉をつつき

始めるだそうだ。


(怖えっつのっ! クソ野郎じゃねかこいつ…)


気持ちを切り替え、そいつをどう倒すかを考えた。

Fランク闇カラスのスキルは影分身 Lv.1 というチートぽいスキルだが、こいつは

逃げるために使うことの方が多い。


(強くはないが、この距離から走って、剣で倒すには俺の早さじゃあ足りない。

そして音を立てずに近づくのも無理そうだ。ここはあれだな……)


念のためにポッケトに集めていた石を取り出した。


(石を投げるのも立派な攻撃手段だ)


問題は当てるかどうか。図鑑ではこいつは敵を見ると必ず逃げるって書かれていた

から、外したら終わりだ。


シッ!


身体強化を使い、全力で石を投げた。


石はドスッっという乾いた音をして、カラスに当たった。


「よっしー!」


カラスに近づいてみたら、体内から血塗れなはらわたが出ていた。


(荒らしウサギで少しは慣れたっと思ったが、やっぱりエグイな)


ドロップボックスから銅貨2枚を拾い、数メートルも離れていたヒーゼルを

呼んで、また解体の方法を教えてもらった。


こいつも食べられるみたいだが、それ以外にも羽は色んなアイテムの素材に使える

ようだ。


そして解体が終わり、また探索を始めた。





つづく

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