第8話 - 城の外
この世界、アトラリアに転移してから1ヶ月。
30日の今日で初めてこの城から出ていく。
(他の人は既に出発しているなあ)
スーツの男は一人、学生5人は先生とパーティーを組んで、そして二人の女性も
パーティーを組んだようだ。全員は騎士と一緒にFランクダンジョンやそのランク
の魔物が住む場所へ向かった。最後に残った俺も準備を終わり、ヒーゼルと
一緒に初めて城の外へ出発した。
………
……
馬車に揺らぎながら、地図で書かれている目的地の情報を読んだ。
向かうのは西にある
綺麗な森だそうだが、そこには魔物も住んでいる。今日の夜に着く予定で、
闘うのは明日の朝からだ。
低レベルの場所でも夜の戦闘はまだ早い。
「おっ?」
そんなことを考えていると、遂に城以外の建物が視界に入った。馬車の右窓から
遠くに巨大な外壁に守られて、街が見えてきた。
(よかったあぁ~!本で街のことは読んだが、実際に見ていなかったから、
あの城しか存在しないのかって思ったぜ)
変な安心感を抱き、俺は外の景色を眺めた。
めちゃくちゃ大きな街だけど、その周りには山と草原だけが遠くまで続いて、
この世界の自然が豊かなのが伝わてくる。馬車が通っている道にも風に揺られて
優しい音をする木々、そして空で優雅に飛ぶ、見たこともない鳥たち。
(本当に違う世界だな)
新しことを見逃さないっとばかりに外を眺め、俺は緑風の森へ向かった。
…………
………
……
王城を出発して、11時間。
16時に目的地へたどり着いた俺たちは森の外側付近でキャンプをして、
夜を過ごした。
(どこかの町か村に泊まるっと思ったがなあ)
理由を聞いてみたら、俺たちのことはまだ平民に話していないだそうだ。
公式に勇者召喚のことを話すの俺たちが十分な力を手に入れてからみたいだが、
噂くらいは既に出回っている。
(まあ、顔を見せないのは今後のためにも助かるだがな)
そんなこんなで、翌日の8時。今から魔物のいる森に入る。
同行者は専属騎士、そして念の為に4人の騎士たちだ。それに加えて、馬車で
5人も騎士が残っている。
(どれほどに勇者が重要かが伺えるな)
今日の目的は俺の最初のレベルアップだ。それでどれくらいのSPを貰ったことで
今後のことが決まるそうだ。
(正直にここで期待以下のSPだったらやばそうだな。マジで)
森へ入る前に最後の確認をした。
(ステータスオープン)
―――――――――――――――――――――
【ステータス】
名前: ―― ← 『名前を決めてください!』
年齢: 25 種族: 人間
称号: 勇者
レベル: 1 - 経験値【0/150】
SP: 0
HP: 999/999
MP: 186/186
攻撃: 378 防御: 318
魔攻: 209 魔耐性: 186
筋力: 76 [82]
魔力: 31 [31]
知力: 61 [61]
速さ: 62 [68]
器用: 47 [50]
運: 10
【アクティブスキル】
-『身体強化 Lv.1』
-『治癒 Lv.1』
【パッシブスキル】
-『支援魔術 Lv.1』
-『治癒魔術 Lv.1』
-『盾術 Lv.1』
-『剣術 Lv.1』
【一般スキル】
【特殊スキル】
-『言語理解』
-『魔物鑑定 Lv.1』
【装備】
『武器』
- 鋼の剣 [筋力 +3% / 器用 +3%]
『防具』
- 鋼の盾 [筋力 +3% / 付与魔術:ライト Lv.2]
- エルンダ騎士の革鎧 [筋力 +5% / 速さ +3%]
『アクセサリー』
- 逃走のアンクレット [速さ +8%]
―――――――――――――――――――――
(結構上がっているね、まだまだ騎士たちには勝てないがな)
城で教えてもらったが、ステータスにある[ ]の左の数字は俺の素の状態の
能力値だ。そして中の数字は何かのアイテムを使った時、支援魔術を受けた時、
もしくはエンチャントされている武具を装備している時の能力値だ。
エンチャント装備とは特殊な恩恵を持っている装備のことだ。それらは凄く貴重な
物で、俺が装備している物も高レベルの鍛冶師が作ったそうだ。
そしてステータスと装備の確認が終わり、俺は森へ入った。
つづく
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