【第五片】 無関心っていう奴の大半が関心ある

「なあ」


と、風馬はハンバーガーを口に運ぶ前に、そう呟いた。そして、風馬はハンバーガーを口に運び、しっかりと咀嚼をした。その上でハンバーガーとセットで頼んだMサイズのコーラとMサイズのポテトを一本だけ口に運ぶと、その三つと共にさらに咀嚼をし、飲み込むと、げっぷをして、ふーっと息を吹くと、ようやく正面にいる浩正の方を向いて。


「あいつのことどう思う?」


「なげぇえええよ!!お前がどれだけ『なあ』って言った後に待ったと思ってんだ!!」


「まぁな。でも」


風馬はそう言うと、再びハンバーガーを口に運ぼうとした瞬間、そのハンバーガーを手から奪われた。


「ちゃんと続きを言ってから食え!!ちゃんと話が一区切りするまで、このハンバーガーは渡さないから」


「なんていう食欲の権化だ。育ちざかりはこれだから恐ろしい」


「誰が食欲の権化だ!!それに同級生なんだから、お前も育ちざかりだろうが!!」


浩正はそう言いながら、バンッと二つのハンバーガーをテーブルに置くと、両肘をテーブルに付き、手を組みながらこう言った。


「で、あいつっていうのは?」


「決まってんだろ。さっきの小鹿野って奴だよ」


「ああ、さっきの。まさか悪態を付かれたから怒っているとか、そんなこと言い出すんじゃないよね?誰だってプライベートの部分を覗かれたら、いい気はしないって。それに今日が入学式だったんだから、当然といえば当然だよ」


「え、お前はなんだかんだついてくるし、こうやって友達ってのは作っていくもんだろ」


「今すぐ帰ってやろうか、この野郎。ってこんな下らないこと言うために小鹿野さんの話題を出したわけじゃないでしょ」


「もちろんだ。さっき小鹿野を見て、確信した。俺が健康的な褐色肌が好きだってことに!!」


それを聞いた浩正は、一瞬にして荷物をまとめて。


「はい、さようなら。こんな変態と話しているくらいなら、明日の学校の準備をしておいた方がマシだ」


「うおおおい!!この食いかけのハンバーガーはどうする??食っていいのか!!?食っていいんだよな!!?」


「勝手にどうぞ」


「ありがとう、むっつりスケベ」


「誰がむっつりだ!!」


という言葉だけを残して、浩正はこのファーストフード店から出ていてしまった。そして、店内に残された風馬は、その残ったハンバーガーやポテトなどを平らげていた。

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