今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、なぜかおまけで女神を押し付けられる~
第449話~緊急作戦会議! そして、潜水艇につけた名は……~
第449話~緊急作戦会議! そして、潜水艇につけた名は……~
おじいさんたちと出会った日、俺たちはガイアスの町で一泊した。
本当はすぐにでも出発する予定だったのだが、おじいさんたちと出会って色々と時間を使ってしまったので一泊して行くことになったのだった。
スイートルームを二つ取り、その一方をおじいさんとセイレーンに提供した。
「ここから見える港の夜景はとてもきれいらしいので是非楽しんでください。後、ルームサービスとかはいくら頼んでもいいので、ワインでもおつまみでも好きなだけ楽しんでください」
「あら、ホルスト君って、気の利く子なのね。こんな素敵な旦那様がいるヴィクトリアが羨ましいわ。是非、ワインでも飲みながら夜景を楽しませてもらうわ。って、お父様。何ヴィクトリアたちの部屋へ行こうとしているんですか。お父様は私と一緒にこの部屋で大人しくしていなさい!」
俺たちに部屋を提供されたセイレーンはとても喜んでくれ、子供のようにむずがるおじいさんを無理矢理引っ張り、部屋へと連れて行ってくれたのであった。
ということで、一番面倒な人の排除に成功した俺たちは作戦会議を開くことにする。
もう一つの部屋に俺は嫁たちと集まり、これからのことを話しあう。
「ほら、ホルスターに銀。ここから見える町の景色はきれいだろ。後、そこに小さいお魚さんが泳ぐ水槽もあるし、おもちゃもお菓子もジュースもある。パパたちはしばらく大事な話をするから、お前たちはここで遊んでいなさい」
「「は~い」」
そうやって子供たちをリビングで遊ばせるように手配すると、俺たちは寝室に入って緊急会議を開始するのだった。
★★★
「本当、おじい様にも困ったものです」
緊急会議はヴィクトリアのそんな愚痴から始まった。
「ようやくお父様に認めてもらったと思ったら、次はおじい様ですか。本当、うちの家族って何で次から次へと面倒くさいことを言ってくるのでしょうか」
そうやっておやつのクッキーを食べながら、とめどなく文句を言い続けている。
とはいえ、文句ばかり言っていても仕方がないので、エリカがこう言ってヴィクトリアをなだめる。
「まあまあ、ヴィクトリアさん、文句を言ってもしょうがないでしょう。一応条件付きとはいえ、仲を認めてはくれたのですから。ここは前向きになって、条件を満たすよう行動しましょう」
「それもそうですね」
エリカにそんな前向きなことを言われて、ヴィクトリアもようやく文句を言うのを止めるのだった。
「それじゃあ、ヴィクトリアちゃんも納得したみたいだし、これからのことを話そうか」
そしてリネットの一言で会議が始まった。
「それにしても今度行く場所にも試練があるのか。本当に神様って試練が好きだよな」
「試練というか、本来は実力のない者が心臓部に近づけないようにするための予防装置だと思いますよ。クリント様も最初からホルストさんの試験のために試練を作ったわけでは決してないと思いますよ」
「ネイアちゃんの言う通りだと思うよ。資格のない人が遺跡の心臓部に近づいたら何が起こるかわからないからね。むしろ、ヴィクトリアちゃんのおじいさんはちゃんと仕事をしているだけだよ」
「まあ、ともあれヴィクトリアさんのおじいさんが造った試練だしさぞ難しいのでしょうね。おじいさんが旦那様とヴィクトリアさんの仲を見とんるための試練にするといって入り上、試練の突破に協力してくれるとも思えないですし、困ったものですね」
「本当、おじい様、いい加減にしてほしいです」
「「「「「うん、うん」」」」」
これから先の遺跡攻略の困難さを予想し、俺たちはうんうんと頷き合うのだった。
ともあれ、試練から逃げるわけにはいかない。
そして試練を突破するには俺たち全員が協力しt臨まなければならないだろう。
「それでは、ヴィクトリアのおじいさんの試練の攻略に向けて頑張るぞ!」
「「「「おう!」」」」
最後はそうやってみんなで協力して試練に立ち向かうことを誓い合い、会議は終了したのだった。
★★★
翌日。
俺たちは人魚の国へと向けて出発した。
人魚の国。セイレーンによると、正確には『海底王国マーメイドキングダム』という名前らしいのだが、正式名称で呼ぶには長いので、以後海底王国もしくは人魚の国と呼ばせてもらうことにする。
さて、とりあえず港を出港するための船を出す。
「ヴィクトリア」
「ラジャーです」
俺に言われたヴィクトリアが『エリュシオン号』を取り出し、全員がそれに乗り込み出発する。
セイレーンの話によると、人魚の国の近くの海までは一日ほど航海する必要があるのでのんびり行くことにする。
航海はとても順調で、さわやかな風が吹く中、穏やかな波に揺られながら船を勧めて行くのだった。
まあ、こちらには海神であるセイレーンがいるのだから海が俺たちに牙を向けてくるわけがないのだから、当然の話ではあるが。
とはいえ、海自体には何は無くても魔物が襲って来る。
「魔物です!」
沖へ出てしばらくすると魔物が現れたのだった。
すぐさま俺が確認すると。
「フライフィッシュが五に、ヘルタートルが二か」
全部で七匹ほどの魔物がいた。
とはいえ、どれも大した魔物ではない。
俺たちがその気になれば瞬殺できる魔物たちだった。
ということで、ホルスターと銀を呼んで練習がてら相手をさせることにする。
「ホルスターに銀。いいか。相手は大したことないけど油断せずにやりなさい」
「「はい」」
俺に指示を受けた二人はすぐに攻撃を開始する。
「『極大化 電撃』」
「『極大化 雷光術』」
そうやって次から次へと魔法で攻撃して行く。
ドン、バンと魔法は次々に魔物たちに命中して行き。
「パパ、やったよ!魔物を倒したよ」
「ホルスターちゃん、やったね!」
と、五分ほどで魔物たちを全滅させることに成功したのだった。
その様子を見て、二人とも強くなったな、と俺は感心するのだった。
★★★
さて、そうやって航海を進めて行くうちに問題の海域へと到着した。
「ヴィクトリア、『ノーチラス号』を出せ!」
「ラジャーです」
俺に言われてヴィクトリアがノーチラス号を出す。
なおノーチラス号とは潜水艇の船名だ。
潜水艇の名前をつけるにあたってヴィクトリアが。
「やっぱり潜水艦と言えば、名前は『ノーチラス』で決まりじゃないですか」
と、強硬に主張するのでそう決まったのだった。
俺的には別の名前をつけたかったのだが、『ノーチラス』という名前もこれはこれでカッコいいと思ったので、これで決めたのだった。
『ノーチラス号』を出した後は全員でこれに乗り込み、『エリュシオン号』は引っ込める。
「さて、人魚の国へと出発だ」
そして、俺たちは海底王国へと出発するのだった。
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