悠漫に説く秘め事

とく』と語るものでもないゆえ、

く』と語らせていただきますに、


私のすべき事は、

道徳にいしれ

我が物顔で通りのネズミと花街はなまちを歩くのみぞと。


——なぜおまえはこう麾下きかに入りてまで、

生きるとするのか?

畢生ひっせいの路の標識にゃ、幾度いくどと歩を進めてもそれしかよぎらないことにございます。


私の秘めたる思いの筐底きょうていには、

雲よりも自由に生きれぬこの身を海に投げ、

彼らはなべて集真藍アジサイの咲き誇るらん、

と言わしめるほどの私の中をう赤、彼らの青に流したきものよ。

などという希望が沈殿しているのです。


そう。

だから私は筐底が上がって来ぬように、

ものに酔って、まぎらわすのです。


とは言いますが、これは悠慢ゆうまんに私がせた、理想の秘め事。

理想の将来像visionとも言えましょう。


今の私は雲よりも自由で、

徳に酔うこともなく、

恣意的な人間です。


ですから、秘め事などと題しながらも

得々とくとく』と語るに至ったわけでございます。


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