稚児の救済
さて、時計台の鐘が鳴れば、
枯れた苔むした古城に響くのだ。
震える
無数の白椿が
この大地に積もって咲き乱れ。
寒波というのは、西の
若く細い焚火を踏みつけながら、
書の読み散る速さで
時とすると、
彼は
ふと、彼が
鶏足にその身を預ける古小屋に入りこんだところ、
暖炉の灰に足を埋めて
寒波が
「薪はあるか」
この
「すいませんが、ここに
そして、さきほどから私を見て肩を震わせながら笑う、小屋の窓達の一人も仰ったのです。
えらくこの部屋は暗いのだな、灯りをつけてはどうだ、と。
私は気分を害され、彼をこの火搔き棒で殴りつけてやりました。
今、彼は私に怖気付いたのか、私に背筋の凍る
ここはとても寒い。」
寒波は少年の話を聞くや、
「俺は今おまえに気分を害された。
おまえの窓にした
俺を腐すのに十分である。
窓はおまえを酷く恨んでいる。
私は思慮深くあるがゆえ、
彼を
おまえをこの火搔き棒で殴ってやろうと思っている。
しかし、俺は今おまえの身の上を知ってしまった。
ひいては、
その
おまえの
その水車に絡まりし水の落ちるに模した、おまえの歯ぎしりを止ませ、
俺はおまえに心から救済を分け与えるつもりになった。
報いはみな平等に受けるべきであり、それは
寒波は、
少年の頭を
窓枠に今か今かとナイフを突き立てて待ち構える窓の
切り裂かれた喉元から流れる少年の
それを少年に飲ませる。
火搔き棒が少年の美麗な金色の髪に差し迫る。
少年は自分が最も不快と
こだまが
千切れた朱色の
さて、時計台の鐘が早朝を教えてくれた。
小屋の前には揺籠と10ルブレイと、太字の濃い赤で書かれた手紙が置かれていた。
手紙は風に
「メリークリスマス!」
と、腹に書かれていることも知らず。
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