第54話「フリージアンの家」
環一行は全員が城を出る
今日の天候は晴れだろうか。曇りもあって天気が良い。そして何よりも仲間がいて清々しい
フリージアンと言われる女性は案内するのか前にいた。その後を環たちはついている
「フリージアンお姉さんって氷っていうけどどんな感じ?」
「はい。氷の…吹雪っていうんでしょうか。それで攻撃したり、氷のつぶてを相手に投げたりします」
「なるほど…氷…意外と強いとされていますね…」
なるほど。氷とは一種の塊。そんなのに潰されるのは嫌なものだろう
「爆破とは…また違う感じね」
「そうですね。吹雪やつぶてというのを状況に合わせて戦っています」
また違う戦い方だろう
歩くと様々な店や家や施設が並ぶ街並みが見えた。ここはきっと中心の場所に違いない
「なあ。ここらへんで血漿族の地帯が見えた。なんて情報ないか?」
「ありますね。ちょっと離れた場所にありました」
斥候が行ってるのだろう。確認がとれているのなら行ってくるしかない
「でも今日はつかれたでしょう。私の家に泊まってください。もちろん、神の紋章を持つ人ですから」
「フリージアンの家は大きいのかしら?」
「当然です」
笑顔で言うフリージアン
歩くとどこか子供たちがフリージアンの前まで来た
「わー!フリージアンさん!」
子供に人気なのか?フリージアンの前には親子連れがいっぱいいた
「皆さん。今日も元気そうですね」
とびっきりの笑顔で言うフリージアン
「フリージアンさん!今日ね、たくさん学んだんだよ!」
「フリージアンさん!僕訓練してほしいんだ!」
なんともまあ人気なのがわかる。もしかして関係あるのか?
「何か、子供に関しての仕事してるの?」
マイルフィックが言うとフリージアンは言う
「実は私、孤児院や貧困層の家に寄付をしてるんです。お金がたくさんあるので」
なるほどなあ。それは確かに人気があるだろう
お金がたくさんある。ということはフリージアンは富豪なのだろうか
「皆さん。今回はちょっと案内しないといけないのでこれでお別れです。また今度お会いしましょう」
「ありがとうございますフリージアンさま。今度はあなたに何かお礼をしたいです」
親がぺこりとお辞儀をした
「ふふふ。ありがとうございます。では」
そう言ってフリージアンたちはみんなから離れる。それでも後ろから熱い視線は感じる
「人気っていいよなフリージアン」
「アタシも…人気になりたいですね…」
「いえいえ。善きことをしたまでです」
善きことか…私たちは善きことをしているだろうか?
~
中心から離れてやや郊外に近い場所に。フリージアンの家はそこにあった
でかい。豪邸であった。横に広いのか敷地面積が凄いある。というのだけ確認できる
「でっか」
「わたしの屋敷よりも大きい気がするね」
環とフランが感想を述べた
「私なんか魔王様の城の一部屋なんだけどねえ」
「私は家なき子よ」
…虚しいこと言わないでくれルーザ
「さあ入ってください」
がちゃ…
ドアを開けて玄関に。玄関も広く、様々な装飾があった
「靴は脱ぎます」
全員が靴を脱いだ
「おじゃましまーす」
「早速ですが私の部屋にいきましょう」
そう言って2階に上がり、部屋に来た
「あらいいの?プライバシーあるんじゃないの?」
「いえいえ。変なものないのでご安心を」
フリージアンは部屋を開ける
そこは水色が中心の部屋だった。水色のカーテン。水色のベッド、水色の…色々なものが水色で染まっていた
「へえ…水色だらけだ」
「あらあら。なんだか水の中にいる気分になるわね」
環とマイルフィックは感想を言った
「私はベッドがありますが、皆さんはすいませんが敷布団で寝てください」
「それはいいわ。私なんか野宿多かったから」
ルーザはどうしてこんな辛い人生送ってんだ
「よ、よかったですね…ルーザさん…」
キリアはぼそっと言う
「ふー…アタシはここにいるとだいぶ落ち着くわね」
口調を変えてフードを脱ぎ、水色の髪がさらっと飛び出たフリージアン
「へー?お前ここに帰るとそんな感じなんだ?」
「そうよ?普段ああやって敬語で表向きに喋るのよ」
「アタシ…そのままなのに」
キリアは何か残念そうに言う
「実はねアタシ、フリージアンっていうのはコードネームで本名はネリア・メスカルゴっていうの」
「メスカルゴ?メスカルゴ一族って聞いたことあるわね?」
「何か知ってるのマイルフィック?」
ルーザが言うとマイルフィックが言う
「うん。確か長年富豪としているけど、その一族は貧困から救おうとする素晴らしい一族だって聞いたわ」
「正解よ~!だからさっき親子に会ったでしょ?孤児院と貧困層に寄付してるってわけなの!」
なんて素晴らしい一族なんだ。それがフリージアンなのか
「でもねー。アタシもちょっと悩んでたときあってね。だから修行して氷の魔法使いになったのよ」
「修行…魔法使いの修行はとても厳しいと聞きます」
キリアが言うと、それでも笑顔を絶やさないフリージアン
「ま、アタシは余裕だったけどね!どんどん追い抜かしていってね。要するに成り上がりってやつよ!」
成り上がり…そんな言葉をここで聞くとは…
「ねえねえ貴女たちってどんな武器使うの?」
自己紹介だろう。環から言う
「私は水の魔法だ。メイルシュトローム、ウォーターソード、アシッドボムとか使えるぞ」
「わあメイルシュトロームってだけで強いわ。アタシも水魔法も使おうかなって考えたときあったわ!」
次にルーザ
「私は銃。これでクリーチャーどもをぶっ放しているわ」
「銃なんだ!血漿族は最新鋭の武器には弱いって聞くわ!」
次にマイルフィック
「私は爆破魔法。これで血漿族をまとめて爆破させているの」
「爆破魔法なんて一流の人しか扱えない魔法じゃない。凄い人ね!」
次にキリア
「あのー…アタシは糸です。糸で血漿族を釣って倒してます…地味ですが」
「糸!きっと貴女は手先が器用な人なのね!地味でもなんでもないわよ」
最後にフラン
「わたし、毒手って言ってこれで血漿族を毒にしたり斬ったりしてるんだ」
「毒手は聞いたことあるわ。それで血漿族を倒してるなんて小さいのに凄いわね!」
全員の自己紹介が終わった
「いやいや…とても満足したわ。もし良かったらこれからもいましょう。みんな相性良さそうだし!」
ニコニコ笑顔で言うフリージアン
「じゃあちょっと外出て何か食べましょう。ここはグルメな街だからきっと美味しいわ」
そうしよう。そうして環たちは出ることに
ただ…大丈夫だろうか…
血漿族の地帯があるかどうか…
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