第52話「フランの力」

…さて、どこに血漿族がいるか


環たちは村の端まで移動した。今までは環とルーザだけだったが、今回は違う。更にもう一人いるからだ


マイルフィックは爆破の力。キリアは糸の力。そしてフランは…毒の力だろうか?フランの場合はまだ未知数だ


とりあえず端に着いた。ここにいるのだろうか?あたりは家もなくただ樹木と草がある程度の場所だった


「…うん?」


まず一言ぼそっと言ったのはルーザだった。何か見つけたのだろうか?


「どうしたルーザ?」


「ちょっと枯れ木があるわね…試しに撃ってみるわ」


ルーザはライフルを用意して弾丸を入れる。そして狙いを定めて撃つ!


ばあああん!すると枯れ木が動いた。これは間違いない。血漿族が枯れ木に擬態したものだ


「ぐああああ!」


血漿族の枯れ木は怒ったのか環たちのところへ突進してくる


「意外とスピード早いな!」


環は早速戦闘準備をして他の仲間も準備をする


「わたしにまかせて!」


するとフランは手袋を外し、ポケットに入れて、突撃してきた血漿族の前まで来た


「わ!危ないぞ!」


フランは冷静だった。そして、何かを言う


「毒手覇甲拳(どくしゅはこうけん)…毒斬!!」


手刀の構えをしてフランは枯れ木の血漿族を一気に真横に切った!


切られてしまった血漿族は動きを止めて、やがて倒れて消えた。その力に全員が驚く


「す、凄いです!なんですか…それ…?」


キリアが言うとフランは笑顔で言う


「これね。わたしが独学で学んだんだよ。とうぜん、父上のきょかもあってね」


…最近の子供とは怖いものだ。そう思ったらやはり出てきた。次々と血漿族が出てくる光景を


「…よし。今度は私たちが行くぞ!」


フランのおかげで一気にやる気が出た4人。すべての血漿族を潰すことにする


「てやああ!ウォーターソード!」


まず環。ウォーターソードで一気に血漿族を斬る。水と神聖の力である程度の血漿族を斬り、消す


「私も負けないわ!それ!」


ルーザのライフルで血漿族の急所を撃つ。急所を打たれたクリーチャーは沈む


「ここはまた爆破呪文でも行きますか!ハイパーブラスト!」


マイルフィックの爆破呪文は強力だ。唱えると辺り一帯爆発が起きて跡形も無いまま血漿族は滅んでいった


「アタシも…!えい…!」


キリアの糸は斬り刻むように空中で糸を引き、血漿族を斬る。その力は環と同じようで違う、力強く糸が絡まり、そして血漿族はやられた


「すごい!すごい!みんな強いよ!」


そんな光景えお見てたらフランは大喜び


「よし!辺り一帯のクリーチャー消えたな!」


「環…!次はあなたの出番です…!」


キリアに言われてすぐに環は血漿族の地帯へと向かう。それに追いかけて全員が向かっていった


ちょっと離れた場所に地帯があった。そこには鎮座した血漿族がいた。恐らくここがボスだろう


「な!なんだこれは!」


環がびっくりしたのはその鎮座した血漿族。黒く変色して大きい姿をしていた。体がかくかくしていてまるで岩のようなクリーチャーだ


環たちを発見したのか、岩のクリーチャーはゆっくりと近寄ってきた


「でええい!タイダルウェイブ!」


まず環が押し流そうと水の呪文を唱える。しかし全然動かない


「急所…あるのかしら…!それ!」


クリーチャーの頭の部分であろうでっぱりにルーザの弾丸が飛んだがびくともしない


「私ならなんとかなる!ハイパーブラスト!!」


どかーん!!と爆発がしたが、それでも効かなかった


「あ…アタシの糸じゃ…できない…!」


どうすれば!?焦った環たちはその岩のクリーチャーは中心部分にコアが開きビーム攻撃した!


「わ!危ない!」


だが全員無事だった。ここか!このコアを破壊すればこいつは倒せる!


しかしそのタイミングを逃さなかった人物がいた。フランであった


「フラン!」


「…破壊毒手拳!!」


ぼこーん!!


岩のクリーチャーの中心部分を手で破壊した。その力はもう子供ではない。いや、大人以上に強い


コアが破壊され、岩のクリーチャーはあっという間に崩壊。やがてただの岩になった


残ったのは岩と地帯のみであった。環たちはフランの力に驚くことになる


「フラン!やったな!」


「うん!お姉ちゃん!」


一言言い、環は早速地帯の浄化へと移る


「…はぁ!」


パァァァ…


地帯は一瞬にして浄化して、黒く、変色した地形は消え普通の場所へと戻る。これでもう血漿族は出てこないだろう


「…これで終わったな」


「すごい!お姉ちゃん浄化できるんだ!」


環のもとに全員が近寄る


「さすがね環!」


「いやー…環さんがすごいですね…」


ルーザ、キリアと言われて環はいつものこと。とは思っていた


「でも…環。こういう…岩みたいなクリーチャーがまた出てきたら私たち、対抗できないわね」


マイルフィックは不安そうに言う。確かにそうだ。こんなのまた出てくることはあるだろう


「そうだな…次、出てきたらどうするか…」


少し考える。水、弾丸、爆破、糸が効かないんじゃこういうクリーチャーを倒すには難しくなるだろう


その考えている姿をフランは見ていた。何かを言うような顔をしていた


「まあ、とりあえず…フランが活躍したから今日はいいだろう。オランのもとに戻ろう」


5人はオランのもとに戻ることにした



「…ありがとう。環たち。そしてフラン。これでこの村は安泰となった」


心配だったのかオランは家の前にいて、5人を待っていた


「もう、どこもないな?」


「ああ大丈夫だ。あそこだけだったからな」


なら安心だ。今日はこのぐらいでいいだろう


「よかったらみんなで食事しよう。みんな疲れただろう?」


「お!いいわね~。私お腹空いた!」


マイルフィックは元気そうに言う



オランの家の食堂にたくさんの食事が並べられた。これも環たちが活躍してくれたお礼と言っていいだろう


環たちはお腹空いたいたのかたくさんの食事を食べる。特にマイルフィックはやけに食べていた


「君たちはこれからどうする?」


「どこか大きいところに行きたいかなって思う」


そう言うとオランはすぐに答える


「なら私たちの村に近い内陸部の城のある街、ガイアーク城に行くといいだろう。あそこで君の紋章を見せると王が反応してくれる」


「わかった。ならそこに行くよ」


「ねーねーワインもっと飲みたーい!」


マイルフィックは大きな声で言う


「全くマイルフィックって大酒飲みなの?」


そういうルーザもまあまあ酒を飲んでいた


しかしフランは黙って食事をしていた。何か考えているのかのように



今日はゆっくりと休もう


そしてまた明日出かけるとする



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