第51話「農村に住む子」

…4人はてくてく歩いていた


血漿族なんていなければこんな平和な世界を。それを脅かす血漿族は許されない存在だ


「まあまあ歩いたけど…目的地の村ってまだなのか?」


「あのー…もうそろそろだと…思います」


環が言ってキリアが言う。相変わらずちょっと言葉を詰まらせるような言い方をするキリアだ


「あのココア村ってね。魔王様監修だからよそ者には厳しくないわ」


「私も聞いたことある。とても良い農村よ」


マイルフィック、ルーザを言う。きっと安心なんだろう


そう言ってまた歩く。すると道から出ると家ばポツポツ建てられたような平原へと広がった。ここだろう


「ここだな…」


広がる畑に田んぼ。ポツポツとある家。小さい家もあれば大きい家もある。ここが農村だ


「静かだな」


「ええ。ここで銃の弾があったらいいけど」


4人は農村を歩くことにした


農村を歩くと一人の酪農家なのか農家なのかわからないが、通っていく


「おや?君たち魔王軍の人たちではないか?」


一人の農民が話しかけてきた


「うん。そうなの。実はあちこちにある血漿族の地帯を浄化する仕事をしてるの」


マイルフィックが先に話す


「…あなたが?」


「ううん。この人。環が神の紋章を持っていてそれらを浄化するのよ」


マイルフィックが言うと環はその紋章を見せた


「お、おお…噂では聞いたが、本当にいるとは…。それならこの農村の村長の人に会ったらいいと思うぞ」


農民がとある建物に指を指した。そこは大きい建物になっている。屋敷。と言っていいだろう


「わかった。ありがとう」


「いえいえ。浄化者がいるなら安心だ。ではな」


そう言って農民は去っていく。村長か。まずはそこに行くのが一番だろう


大きい建物を目的として歩く。すぐに着いた。マイルフィックは早速玄関のドアを叩く


「こんにちはー。私たち、魔王軍の部下でーす」


がちゃ…そこにいたのは恐らく村長の使用人だろう。男性であった


「おや?魔王軍の部下のマイルフィックさんにミリアさん?どうしてここに?」


「えーとね。実はね…アタシら旅してて…血漿族の地帯を浄化するのよ…」


「少々お待ちを。すぐに村長をおよびします」


使用人が言うとすぐに奥まで行く。時間はかからなかったすぐにその村の村長であろう人が来た


村長なのだから当然男であり、身長も高く、ヒゲが蓄えていた。とても高貴な人であった


「やあ、皆さん。私は村長、オランバーンと申すものだ」


「はじめましてオランバーンさん。私は環と言うんだ」


「私はルーザ」


かわいい女性2人を見てオランバーンはにこやかになった


「ほうほう…こんな女性たちがいっぱい来るのは初めてか?」


「実は私は運命の浄化者としてここにいるんだ」


手始めに環は神の紋章を見せた。するとオランバーンは驚く


「なんと!あの紋章を持っている子なのか!ううむ…これは…すごい…」


オランバーンは確認をして言う


「ここで立ち話もなんだ。椅子に座って話そう」


オランバーンは彼女たちをリビングに案内した



「…なるほど。つまり、神に紋章を与えられてこの地に来た。と」


4人とオランバーンは椅子に座り、話していた。美味しいお茶を用意してもらった


「そうさ。でもここへ来てまだ日にちが経ってないからどういうところなのかわからないんだ」


環はそう言うとお茶をいっぱい飲んだ


「ほう。ならこの大陸の地図を渡そう。これがあればどこに行くか決められるだろう」


そう言ってオランバーンはリビングにある引き出しから紙を用意した。それを環に持っていく


「これを持って旅を続けなさい」


「ありがとう」


環はその地図を持った。これなら迷子になることはないだろう


「…そうだ。私の娘を紹介したい。彼女なら君たちを気に入ってくれる」


娘?どんな人だろう?


「ちょっとまってくれ」


オランバーンはその娘を呼び出そうとして奥に行った


「オランバーンの娘?何か知ってるの?」


環は言うとマイルフィックとキリアは首をかしげた


「いや知らないわね」


「うーん…。情報がありませんね…」


そう言ってるとオランバーンが来た。その横にとてもかわいらしい女の子が来たのがわかった


セミロングヘアの金色。背が小さく、服はゴシックロリィタと言ったものか?とにかくかわいいと言っていい子だった


「紹介しよう。この子は私の娘でフランバーンと言う。さ、挨拶しなさい」


「はじめまして運命の浄化者たちさん。わたし、フランバーン。みんなよろしくね」


そう言うとフランバーンはお辞儀をした。かわいらしい、小さい少女だった


(…うん?なんで両手に手袋みたいなものをつけているんだろ)


環はまずそれを思った。フランバーンの手には手袋があった。これはなんだろうか?


「早速紹介して申し訳ないが、実は血漿族の地帯というのがあるんだ」


やはりあったか。4人は真面目な顔をする


「ちょうど村の脇あたりか…そこで血漿族がうろついているのを発見して近寄ることができない。君たちなら行けるだろう」


「わかった。すぐに行ってみる」


環が言うとオランバーンはこくりとうなずく


「父上。わたしも行きたい」


「うむ。環、ぜひともこのフランバーンを連れてくれ。この子の技は誰にも負けないものがある」


オランバーンはフランバーンの頭をなでていた


「フラン。迷惑をかけないようにな」


「うん。父上」



屋敷から出て早速向かうフランバーンを入れての5人


この農村から少し歩き脇に血漿族がいたというのでそこへ向かうことに


「ねえ。フランバーンって何ができるの?」


そう言われてフランバーンは手袋を外した。するとものすごい手が現れた


「な…!?手が紫色に変色してる!?」


環一同、すごいびっくりすることになる


「わたしね。手に毒を持ってるの。これで血漿族をチョップしたり爪が引っ掻いたりして毒の影響で即死させるの!」


つまり毒手ってことか…これは知らなかった…


「わ、わかったわフランバーン。でもこれを人間にやらないでね怖いから」


マイルフィックはその少女に優しくさとした


「うん!行こうみんな!」


フランバーンは喜んで行く。こんな子が旅に出たら面白いだろう



次の地帯


気をつけて行くことにする






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