第50話「道なりの浄化」
…朝が来た
宿屋に泊まっていた3人は改めて旅に出ることになった
環、ルーザ、マイルフィック。そしてキリア。この4人で旅をすることになる
ここは城下町の門。魔王と配下が4人を見送ろうとしていた。みんな笑顔で見送ろうとする
「環。ルーザ。マイルフィック、キリア。お前たちは優秀な者たち。これからの旅を期待しているぞ」
魔王がしっかりと言うと4人は言う
「任せておけって。だいぶここの世界に慣れた。何があっても私たちで上手くいくからさ」
「魔王もお気をつけて。血漿族に負けないでください」
「魔王様。私は行きます」
「あ、あのー…アタシも…行くことになりました」
4人は魔王に言い、そして旅立つ。魔王や配下が手を振って見送った
「頑張れよー!」
「血漿族なんか蹴散らせー!」
「貴女達の旅をお祈りします!」
姿が見えなくなるまで配下達は見送った
~
道中を歩く。とても良い天気で血漿族なんてでなさそうな雰囲気だ
しかし油断はならない。どこで出てくるかわからないからだ。警戒しつつもゆっくりと歩く
「キリア。お前って糸を使って倒すというが、どんな感じなんだ?」
歩いてる途中でいきなり言われたためキリアはキョドる
「え?あ?は…い。糸って言っても鋭利な糸なんですけど…それで空中で糸を絡ませて、引っ張ると縮小して敵を倒せるんですよ」
まるで暗殺のような手口だ。環はそんな攻撃に驚いた
「そうなんだ。私なんて水魔法ぐらいしか使えないからなあ」
「貴女、そう言ってもメイルシュトロームをできるだけ凄いじゃない」
「そうかなあ」
環は自分の魔法があまり強くなさそうに思えた。他の人たちが強すぎるだけだ
『環…』
…はっ、神、ヴァルキリーの声が聞こえた
『お前の神聖なる力は他の者に分け与えることが可能だ…』
『やってみろ…』
ここで環はピタッと止まる。そして3人に言う
「さっき、神から言われた。この私の力は分け与えることができるって」
「分け与える?」
そう言って環は両手でまずルーザの手を取る
「お前に…力をあげるよ」
ルーザは体がぞぞっとした悪寒みたいなのが流れた。これが分け与えるというやつか?
「…これって?力を分け与えたってこと?」
「ああ。そうだ。マイルフィック、キリア、来てくれ」
環はマイルフィック、キリアと力を分け与える。その神聖なる力でもっと血漿族を倒せるだろう
「よくわからないけど、ありがとう。きっと爆破の力も強くなると思ってるわ」
「いやー…そのー…なんとも嬉しいですねえ…」
道の途中で力を分け与えた。それは強くなるだろう
~
「…あった」
道のりを歩くと血漿族の地帯を見つけた。その地帯は黒ずみの地帯であり、気持ち悪い匂いのする場所であった
4人はそれを見てやるしかないと思った。思っていると地帯から虫のごとく血漿族が湧き出てきた
「…みんな、行くぞ」
3人はこくりとうなずく、環を先頭に血漿族に切りかかる
「ウォーターソード!」
右手に水の剣を備え、血漿族に切った!
「ぎゃああ!」
まずは一体、まだまだいるだろう。ルーザは銃を構えて血漿族に撃つ!
バァァァン!!
血漿族は急所に当たりあっけなく撃沈
「もしかして環の力が備わって強くなってるのかも」
空中にも血漿族がいた。うるさい羽根を響かせて襲いかかってくる
「聖なる力を試すとき!ハードバスター!」
どこーーーーん!!
その力は爆破の力。浮遊した血漿族はすぐに消えてしまった。爆破の力とは強いものだ
「はい。アタシも…それっ!」
キリアは糸を使い、空中で止めて一気に血漿族の首を釣るようにした!血漿族は首を切られて撃沈
「すごいですね…今まで以上に敵を倒せます」
環は血漿族を蹴散らすとすぐに地帯の浄化へ向かった
「よし、何もないな!すぐに浄化する!」
地帯に手を当てて光がともる
「環さん!そこに手を置くと…!」
「大丈夫よキリア。あの人、浄化ができるの」
パァァァ…!
すると地帯はきれいになり、何も黒ずみもない、腐臭もしない、ただの道となった
これにて浄化が終わった。3人はすぐに環のほうへかけよる
「環、できたわね!」
「貴女の凄いところよ」
「これが浄化…ですか」
ルーザ、マイルフィックは喜び。キリアは関心した
「またこれから地帯があると思う。その時はみんな、援護してくれ」
3人はうなずく。環がいればきっと地帯の浄化も楽ではないが行えるだろう
~
「…で、私たち次はどこに行けばいいんだ?」
環が疑問を言うとキリアは提案をする
「あのー…ここを真っ直ぐ行くと農村地帯のココアという村に辿り着きます。まずはそこにいきましょう」
「ああ、あそこの農村ね。ココアっていう村は野菜や果物が美味しい村よ。きっと何かあるでしょう」
マイルフィックはそう言った。マイルフィックとキリアが言うのならそこに行くのはセオリーだろう
「じゃあ。そこに行こう」
4人は道なりを歩いて農村へと向かうことになる
(そこもきっと血漿族で困っているんだろうなあ)
環はそう思った
次の村まで行く
それもまた、浄化があるだろうから
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