第49話「夜の襲撃」
…環、ルーザ、マイルフィックは魔王の住む街へと戻った
ここは怪しげな雰囲気はするものの、立派な城下町なのでそこまで怪しい感じはしない
3人は早速宿屋に泊まろうとした。宿屋の雰囲気もなかなか良かった
「なあここの宿屋って良いとこか?」
「当然よ。もし気に入らないなら馬小屋もあるからそこで泊まる?」
マイルフィックは冗談のように言う
「ちょ!それは勘弁してくれ!普通の宿にしてくれよ!」
さすがに馬小屋なんて言ったらきっと眠れないだろう。環は当然断った
宿屋にて受付に行く。するとマイルフィックを知ってる人がいた
「まあまーちゃん!」
「こんばんは。宿、泊まりたいけどいいかしら?」
まーちゃん?マイルフィックの愛称だろうか
「お前まーちゃんなんて言われるのか」
「友人はね。ちょっと恥ずかしい言われ方だけど」
3人は部屋を案内されて部屋に入る
「3人部屋なんてあったのか」
「いやー。疲れてしまったわ。のんびりしよっと」
3人はそれぞれのベッドに座る。とても心地よいベッドだった
マイルフィックはすでに戦闘を終えてほっとしたのか、仮面を外していた
「マイルフィック。なかなかの美人ね」
「そう?私、そこまで美意識したことはないわ」
仮面をつけていても素顔NGというわけでもないこのマイルフィックという人物
「そうそう。環ってね、水魔法の達人であのメイルシュトロームができるのよ」
「何!あのメイルシュトローム!?すごいわね貴女!」
水魔法を知ってるのかマイルフィックは驚く表情を見せた
「まあ…メイルシュトロームの他にもさっきのウォーターソード、アシッドボムなんか使えるな」
「すごいじゃない全部水の魔法だらけね」
マイルフィックはこの環という存在に大いに関心した
「なあ…マイルフィック。お前、悪魔なのか?」
そう言うとマイルフィックはすぐに答える
「ええそうよ。私は悪魔の一人。でもね、最近の悪魔は血漿族のことに対して蹴散らそうってことだから悪さはしてないの」
血漿族…やはり一番脅威とも言えるクリーチャーか
「魔王様たちの配下もみんな血漿族に困っているの。でも、貴女が来てくれたおかげでだいぶ楽になると思うわ」
そうか。みんなのために浄化をするのが自分の役目なのだろう
「わかった。でもこれから旅は続くからしっかり着いてきてくれ」
「当然じゃない」
「私も貴女に着いていくわ」
この3人ならきっと大丈夫だろう…と思われた
何やら外が騒がしい。何か事件でもあったのか?マイルフィックはすぐに反応して窓に行き様子を見る
「何かしら?」
マイルフィックは外を開けて見ると町の人々が騒いでた
「クリーチャーだああ!!」
町の人々はクリーチャーに逃げていた
「なっ!血漿族ですって!」
「ちょっと疲れているけど、行くしかない!」
「そうね!」
環、ルーザ、マイルフィックは宿屋から出て血漿族が湧いた場所へと向かう
外に出ると町の人々はみんな安全地帯へと逃げて城の兵士がいた。マイルフィックは話しかける
「みんな!私よ!」
「おや!?マイルフィックどの!てっきりもういないかと思いました!」
3人は血漿族を見る。強くない雑魚敵だろうが、油断はならない
「私たちに任せて!」
「ぐああああ!!」
血漿族たちが襲いかかってくる
「水の魔法!タイダルウェイブ!!」
環は水を無から作り、波を作った。そして波は一気に血漿族に襲いかかる!
「ぎゃあああ!!」
波に飲まれた血漿族はあっという間に浄化。しかしまだいる
「…それ!」
ルーザは銃で大きい血漿族を撃つ。急所に当たった大きい血漿族はすぐに浄化する
「もう一回。私の力を使うわ…!フレアスター!!」
どがーーーーーーーん!!
爆破呪文はあまりにも強力だ。血漿族はすぐに散らばるようにチリひとつ残さなかった
「まだいるか!」
「まだまだいるわね!攻撃の手を緩めないほうがいいわ!」
まだまだ襲いかかってくる血漿族。3人が構えた
すると血漿族が一直線に襲いかかってくる前から謎の糸があった。いや、鋭利な糸と言っていいのかもしれない
ぴぃぃん!!
糸は凝縮して血漿族たちの首、体を一気に切り取った。そして血漿族が消えた
「…なんだ一体?」
「これは…キリアの糸!」
キリア?誰だろう?
「あのー…アタシ、倒しました」
3人は後ろを振り向く。そこには服を着て、両手の指先に糸を浮遊させて、落ち着いた表情でいた女性がいた
「キリア!よく来てくれたわね!」
「あ、あのー…。アタシ、こんな感じで魔王を守ったから…そのー」
キリアとはこんな喋り方なのか?
…はっ!急いで浄化しないと!血漿族がいないこの時がチャンスだ!
「ちょっと浄化してくる!」
環は早速浄化ポイントへと向かう
するとどうだろう。街の外れに地帯があったことを。まさかこんな場所にあったとは…
うちらのミスだった。しかし反省するよりさっさと浄化したほうが良さそうだ。地帯に手を当てる
「…はぁ!」
パァァァ…
地帯は無くなった。ようやく全部の地帯を消したのだろう。これで一安心だ
環は血漿族がいないか確認して、街へと戻っていく
~
環が戻ると魔王配下の全員が迎えてくれた
「すごいですね!ありがとう!」
「運命の浄化者とはすごい人だったんだ!」
「女性なのに…!さすがですね!」
配下たちが大いに喜んでいた。環は照れくさい気持ちになる
「いやーそうでもないさ」
「でも貴女がいなかったらまた血漿族と戦うことになったわ」
マイルフィックがそう言った。すると後ろから誰か来た。配下は道を開ける。魔王だった
「環たちよ。浄化、ありがとう。せっかく旅に出たのに、周りの浄化をしてくれたんだな」
マイルフィックはお辞儀をして、環とルーザは普通の態度でいた
「環。ひとつお願いがある」
「何?なんでもいいぜ」
環が言うと魔王はちらっとキリアの顔を見た
「このキリアも連れていけ。キリアの糸は全てを切り裂く糸。血漿族をも倒せるだろう」
なんとキリアも連れていくという話になった
「えっ!?あっ!?でも…アタシあまり強くない…です」
「バカを申すな。お前の力は強いのだ。環に着いていって修行をするかのように旅に行け。これは命令だ」
命令と言われるとキリアは全く反論できなくなった
「わ…わかりました…」
キリアは環の側まで行く
「アタシ…キリアって言います…あのー…よろしくお願いします…」
「ああキリア。よろしく」
こうして新たな仲間が旅に出ることになった
環、ルーザ、マイルフィック、そしてキリア
旅はまだ始まったばかりであった
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