第47話「魔王の城」

…崩壊した村を後にして、環、ルーザは歩いていた


いつどこでクリーチャーがやってくるかわからない。警戒しながら道を歩む2人


環はこの世界に来て血漿族の恐ろしさを知った。怖い、邪悪、気持ち悪い。そんなクリーチャーだからこそ倒さないといけない


クリーチャー…恐ろしさを感じつつ、道を歩く。現在、魔王がいるとされる街へと向かっている


魔王なんて言うとラスボスっぽいイメージもあるが、ルーザいわく全然怯えるようなことでないというわけだ


むしろ良い国王。魔王と呼ばれる理由も闇属性の魔法があるためそこで研究してたら闇属性の部下がいっぱいいるというわけ


つまり、闇属性だから魔王。と呼ばれる…


「環」


「ん?なんだ?」


道の途中でルーザは環に言う


「貴女、これから魔王に会うけど変なこと言わないでね」


「ん?うんわかった」


わかることはわかる良い浄化者だ。ルーザはわかりやすいと思った



道のりは特別何も無かった。むしろなくていいかもしれない


そんなことで魔王がいるとされる街へと着いた。ここはダークウェイト街と言うらしい


「ダークって!まんまじゃん!」


「だから魔王なのよ」


街中を見た。なんだ。全然暗くない。街並みは明るい場所だった


むしろ人並もあり、美味しそうな店もあった。とても喜ばしいことだ


「このメイン通りを抜ければ魔王の城?」


「そうよ」


そう言って2人は歩く。人々が楽しそうににぎやかにいた


そして魔王の城に着いた。まずは門番に挨拶しないといけない


「ちょっとまってね」


ルーザが言うと門番に話しかける


「こんにちは。今ね、運命の浄化者がいるの。魔王様に通してくれない?」


「そうですか?少々お待ちを」


門番が一人、城へ向かう


ちょっと経つと門番が戻ってくる。その門番というのも至って普通の鎧を着た門番であった


「どうぞお通りください」


2人は城に入る。門から内部へ。そこにはとてもノスタルジックな雰囲気をしていた


そして王の間へと行く。がちゃ…待っていたのは親衛隊と王がいる場所だった


王は王座に鎮座して色々な部下が王の周りにいた。魔王は2人を見ると元気に挨拶をする


「おお。お前たちか。私は魔王ヴェルだ」


「魔王様。久しぶりでございます」


ルーザがお辞儀をすると環も真似してお辞儀をする


「して、運命の浄化者がいるのは…ルーザの隣か?」


魔王が言うと環はその紋章を魔王の前で見せた


「私、これなんだ」


「ほう。間違いない。それは神の紋章。まさか女性が紋章を持っているとはな」


魔王は少々驚き、周りの部下はざわざわした


「魔王様。実は村が壊滅してしまい、困ってたところです」


「そうか…。血漿族とは私たちにも憎い存在。しかもたくさん出てくるから対処に困ったものだ」


魔王は少しだけ嫌な顔をする。やはり血漿族とは憎い存在なのだろう


「だが、我々には強い部下たちがいる。お前もそうだろう。神の紋章があるからにはきっと、強い力を持っている。そう思う」


一言言うと、更に言う


「お前たちは旅をするのだろう?なら、ちょうどいい部下がいる」


そう言って魔王ヴェルはパンパンと手を叩く


すると横のドアから人物が現れた。その格好はローブに近い服を着た人で仮面を被っていた。黒髪ロングだろう。背中にはなにか羽が生えている


その人は魔王の前まで行くとすっと座り、お辞儀をする


「私になにか御用でしょうか?」


「マイルフィック。お前は旅に出たいと希望があったよな?これからお前はこの環とルーザに付いて行くのだ」


「ははっ。その通りでございます」


この仮面を被った女性はマイルフィックというのかなんだか名前からして強そうだ


「マイルフィック。環とルーザに付いていけ」


「はは!」


マイルフィックは立ち上がり、環とルーザを見た


「私、マイルフィックっていうの。環、ルーザ。私は旅に出たいのよ。だからお願い」


…いかにも強そうな雰囲気を感じ取った環。もちろん、断る理由も無いだろう


「わかった。よろしくなマイルフィック」


そう言って環とマイルフィックは握手をした。一体何ができるのだろう


「ところでマイルフィックって何が得意なの?」


「私?私は爆破呪文が得意よ。辺り一帯を爆破させることが可能よ」


爆破呪文…それは強そうだ…


「とても強そうだな。よろしく頼むぜ」



「じゃーなー!マイルフィック!」


「旅の無事を祈ってるよー」


「環とルーザ。マイルフィックをよろしくな~!」


お見送りされてマイルフィックを含む3人は外へ出る


「じゃあこの街を出て早速旅に出よう…」


「待って、何かが感じるわ。とても…邪悪な…」


マイルフィックは突然なにかを言い出した


「感じるって、何?まさか…」


「クリーチャー…この近くにいるかもしれないわ…」


このマイルフィックという人間?は一体なんだろうか。気配を感じるなんて人間っぽくない


「わかった。じゃあ探してみよう」


「血漿族の地帯があるのかもね」


3人は早速探すことになる



新しい仲間マイルフィック


一体どんな活躍を見せるだろうか



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