第24話「人助けの道」

…がたがた


馬車の音が聞こえる。基本的にはオフロードで道は少々小石があったりして揺れる


7人は馬車酔いというのだろうか。別に酔うことは無く、目的地まで馬車で向かっていた


恵たちは着くまでお喋りしていた。新たな仲間であろうリリアナを中心に喋っていた


「リリアナ。その波動を撃てる大砲はいつごろから使い始めたの?」


恵が言うとリリアナは答える


「まだ私が新人だったころよ。私は波動の力の極意を身につけてこの大砲を作ったの。今では血漿族を倒すときに欠かせないものさ」


リリアナは言うと大砲を持ち上げた


「ちょ!リリアナ!その先端にある刃をこっちに向けないでよ!」


杏はリリアナに注意をさせた


「ははは!ごめんごめん。でもこの刃も大切だからね。接近した血漿族を斬る役目があるんだ」


大砲の刃がキラリと光る。これで血漿族をグサッ。だろう


「間違っても人間には斬らないでね」


杏は怖くなったのかそう言った


「リリアナお姉ちゃん、波動の力ってなんなの?」


リミットは疑問を言う。リリアナはすぐに答える


「波動の力っていうのはまあ言わば気功の力さ。気功の訓練をして波動を撃つ。単純だろ?でもこれでもきちんとした魔法でもあるのよ」


波動の力イコール気功というやつなのか。気功もきっと魔法なのだろう。そう思った


「私も波動弾撃てるけど、また違う力なのかしらね」


「へえ!そうなんだ。もしかして、気功の力、持ってるの?」


そういうわけではないが、恵はリリアナに神の紋章が描かれた手のこうを見せる


「あ!それって神の紋章!私、出張に行く前にこの紋章の人が来るって聞いたけど、貴女だったんだ!」


「そうよ。だから波動弾が撃てるのよ」


そう言うと手を膝に置いた恵


「凄いねえ…私も負けじと血漿族を倒さないと…」


リリアナはまた大砲を見て言う。きっとこの人は強い人だ。ただの魔法使いでは無い、波動が撃てる力を持つ人


この人ももしかして、選ばれし者なのだろうか?恵は思った


しばらくしてるうちに森の内部に来ていた。道以外は存在する森の中であった


きっとこの森の中でエルフの村があるのだろう。自然豊かな森の中でいるに違いない


「きゃー!!」


…今何か悲鳴が聞こえた。カロフトは一瞬馬を止める。そして辺りを見渡した


「…今、誰かの悲鳴が!」


「何か聞こえたわ!すぐに行きましょう」


7人全員で辺りを見渡す。すると森の中でちょっと草原になってるところがあった


そこに岩があり、その上に人間がいた。そしてその下にいるのが…


「…クリーチャー!」


そう血漿族だった。血漿族が人間を襲おうと下にいた。これは危ない。クリーチャーはゾンビタイプであり、二足歩行でいた


「…私に任せな」


リリアナは大砲を持って血漿族に近寄る。そして言う


「血漿族!あんたたちの相手はこの私だ!かかってきなさい!」


血漿族が反応する。そして岩場の上にいる人間を見るのを止めてこちらにむかってきた!


「があああああ!!」


「…はぁ!」


ぶおおおおん!!


これは波動の力だろう。大砲の発射口からレーザービームが発射された。そのレーザービームを思いっきり食らうゾンビだち


食らったゾンビは跡形もなく撃沈した。しかしまだ残っている


一瞬で反応したのはロザリーだった。ロザリーは杖を上げ、神から貰った力をためそうとした


「それっ!」


ぼーーーー!これまた波動に近い技でレーザービームが発射された。光の力の応用と言っていいだろう


残った血漿族はレーザービームを食らってあっという間に浄化。跡形もなく消えた


「あ、貴女もレーザービーム撃てるの!?」


「いえ、ただの光の力ですよ」


ようやく人間を襲った血漿族は全滅した。この勝利、リリアナとロザリーの活躍であった


上にいた人間が降りて、恵たちに近寄る


「あ、ありがとうございます…!なんてお礼をしたら…!」


「いいのよ。貴女は人間なの?」


恵が言うと種族が気になった。その人間は答える


「はい。人間です。エルフの村出身でもあります。きのこの収穫をしようとしたら血漿族が出てきて、逃げ惑ううちに今に繋がります」


血漿族…エルフの村近辺に地帯があるのだろうか?


「きっとどこかに地帯があるってことよね」


杏はそういった。きっとあるだろう


「いずれにせよ、浄化しないといけないわね」


恵も言った。まずはこの人間を村まで行かせる必要があるだろう


「とりあえず、人助けをした。馬車に乗って行こうぜ」


カロフトが言うと全員再び馬車に乗り込んだ。馬車はぎゅうぎゅう詰めになってた


「ちょっとリリアナ!少し詰めてよ!」


「えー。私こんな体格だから積めることできないわ」


「何言ってるのよ!」


そんなこと言いつつも馬車は再び村へと進んでいった


そしてようやく到着した。明るい雰囲気できれいな街並みだった


「…ここがエルフの村」


「…」


恵がぽつりというとサンダースは嫌な顔をした


(どうしたんだろ、サンダースお姉ちゃん)


リミットはサンダースの顔を見ながらそう思った



エルフの村に到着した恵一行


何が待ってるだろうか?





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