第23話「リリアナという仲間」

神から力を授けて翌日


今日も一日血漿族との戦いが待っているだろうか?恵たちはそう思っていた


しかしだいたいの浄化ポイントで浄化はした。あまり出てこないと言えばいいのだろうが…


普通にワクワクする。どんどん浄化すればきっと王子から色々とご褒美もあるだろう


「早く新しい技、使ってみたいわね、みんな?」


「そうですね。私もようやく戦えます」


ロザリーは嬉しそうに杖を持っていう


「でも、調子に乗るのは禁物だよ。命張って戦うんだから。たとえちっちゃい血漿族でも」


確かにカロフトの言う通りだ。ひとつ間違えたら命を落とすのだから。血漿族とはそこまでのクリーチャーたちだ


あの王様はどうやって血漿族の噛まれたのか知らないが、あと少しで命を落としたかもしれない


「…神が言ってたけどこれ以上の仲間って存在するのかしらね」


杏は言う。確かにサンダースを含めて6人というのは大きい人数だ。それに遊撃隊としている


「そういえば…アタイの友達で出張してる女性がいるんだ」


突然ポツリと言うカロフト。カロフトの友達?


「カロフトお姉ちゃんの友達?いるんだね?」


リミットはいきなり失礼なことを言う


「いるんだねとか失礼な!…そいつ、弓とは違うまるで大砲のような武器を使って血漿族をぶっぱなしてんだ」


弓とは違う大砲?不思議な戦いかたがあるもんだ


「私で言う、波動弾のようなやつかしら?」


「そうだね。それに近いかもしれない。いつ会えるかなあ」


そんなこと言いつつ5人は城へ向かっていった。相変わらずの注目の視線を浴びつつ



「部隊長、おはよう」


部隊部屋に着いた。セントはいつもどおりに挨拶をする


「おう、5人。サンダースも既にいるぞ」


「やあみんな。おはよう」


サンダースと合流してようやく6人になった


「実はな。今日はエルフの村に行ってほしいんだ」


エルフの村に行ってほしい。そう言うと恵は断ることをしない態度で言う


「ええ。行くわ」


「部隊長、私もいかないとだめか?」


サンダースは突然言う


「何言ってる。サンダースくんはエルフの村出身だろう?行かない意味はないぞ?」


「ま、まあそういうなら行くけど…」


…なんでそう言うのだろう?恵は少し引っかかる言い方をしてるサンダースに疑問を感じた


すると、また別の兵士がやってきた


「部隊長。リリアナが帰ってきました」


「お!あいつ帰ってきたか!」


リリアナ?恵たちが思うとカロフトとサンダースはあいつか。と思った


「アタイの友達、ようやく帰ってきたか」


部隊部屋のドアがバン!と開く。そこには大きめの女性がいた


軽装備をした格好で恵とあまり変わらない。筋肉があり、胸も大きい。何か大きいものを背負っていた


「やっほー。セント。私、帰ってきたよ」


そう言うとそのリリアナと呼ばれる女性はセントに近寄る


「リリアナ。ご苦労だった。お前、酒に酔って色々と壊してないよな」


この人酒に酔うとそうなの?と恵は思った


「大丈夫よ~!いやー…島の生活って魚だらけで全く面白いものは無かったわねえ~。血漿族もまあまあ出るだけだし」


リリアナはその大砲みたいなものを背負っていて全然重たくなさそうな表情をしている


もしかして、この人が新しい仲間?恵は話しかける


「ねえ、貴女。その大砲、大きいわね?」


そう言われるとリリアナは恵のほうに向く


「おや…?貴女は誰?カロフトとサンダースはわかるけど…」


おっと。まずは自己紹介から行こう。恵、ロザリー、杏、リミットは自己紹介をする。リリアナはうんうんとうなずいて聞いてた


「そうか…!貴女が運命の浄化者!予言者が言ってたのは本当なんだね。ロザリー、杏、リミットもここへ来てようこそ」


そう言うとリリアナは恵に握手を求めた。当然恵も握手をかわす


「ねえ、貴女のその武器…なんなの?」


リリアナの持ってる武器がきになる。リリアナは言われると武器を持ち上げた


「これは私の武器の波動砲!まあ私、魔法使いの端くれでもあるけど波動の力を使って、この武器があるのよ!」


リリアナは嬉しそうに武器を持ち上げて言う。サンダースはポツリと言う


「…リリアナ。波動の力を使って血漿族を何度も倒している。その力は私とは違う、とんでもない力なんだよ」


持ち上げた波動砲をよく見ると先端に刃みたいなものもあった。接近した敵をこれで切るに違いない


「すごいわね!貴女のその力!私も波動弾撃てるけどきっと凄い力なのね!」


褒めてくれた。リリアナは嬉しそうな表情をする


「そうだよ!でもねー。力が必要だからあまりポンポンとは撃てないんだよね」


「嘘つけ。血漿族相手にも波動撃ってただろ」


カロフトが言う


「あー。そろそろいいか?」


セントが言ったら恵が気づいて言った


「あ!ごめんね。エルフの村に行けって話よね?」


「そうだ。馬車を用意する。それで行ってくれ」


6人はうなずいていた。カロフトが言う


「馬の運転はアタイに任せてくれ。行こう」


「よろしく頼むぞ」


そう言うと6人は外に出た


残ったのはたくさんの兵士とリリアナ。リリアナはセントに話しかける


「ねえセント。私…彼女たちに着いて行きたいんだ」


「…え?」



ヴァルキュリア王国西地区の入口。ここに6人はいた。エルフの村とは一体なんだろう?楽しみでいた


しかしサンダースはイマイチ顔が曇っている。なぜだろうか?


「ねえサンダース。どうして顔が曇っているの?」


「…私はあまり行きたいとは思わないからさ」


サンダースは機嫌の悪い表情で腕組みした


「サンダースお姉ちゃん、行くの止める?」


リミットはサンダースに言った


「…いや、私は君たちに着いて行きたいって決めたんだ。行くよ」


サンダースのあまり行く気のない態度はどうしてだろうか?何かあるのだろうか?


馬車に乗る5人。運転はカロフトだった。準備が整ったところで出発する


「よーし!じゃあ行くよー」


「待って頂戴!」


ん?誰の声だ?恵たちは後ろを振り向くとさっき話していたリリアナがいた


「リリアナ!」


相変わらず大砲を持ってこちらに来た


「私!貴女たちに着いていく!大丈夫!足手まといにはしないから!」


…6人で行くはずが急に7人になった。だがいいだろう。恵は言う


「ええいいわ!馬車に入って!」


そう言われるとリリアナは馬車に乗り込んだ


「よろしくね!恵!」


「ちょ、ちょっとあんたぎゅうぎゅうなんだから大砲をなんとかしてよ」


杏は嫌そうに大砲を持ってきたリリアナに言う


「これは私の半身さ!ほったらかしにはできないよ!」


「あはは!リリアナは元気だなあ。さ、行くよ!」


カロフトは馬をぴしっとさせて出発した。リリアナは嬉しそうな顔をしていた



エルフの村


一体何が待っているだろうか?



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