第2話
黒歴史って言うのは実は以前からもあったんだけど、魔女が現れる前まではそこまで問題になってなかった。魔女は本来は大したことのない黒歴史までを増幅させて、不特定多数の人を黒歴史で攻撃してくる。攻撃されると人は絶望を感じて廃人になる。魔女は人々の感じる絶望をエネルギーするらしい。多少でも黒歴史の芽を持っている人は逃げるしかない。このままでは世界は黒歴史に攻撃され魔女の食い物にされてしまう。
魔女に対抗出来るのは黒歴史をまだ持っていない14才以下の人間のみ。黒歴史で攻撃してもそれを跳ね飛ばせるから。未来への希望や思春期のドキドキ感。魔女はそれに弱い。それを魔女に見せつけてやることで魔女の力を奪って倒すことが出来る。
「信じられないよな。世界で起ってることが非現実的な魔女によるものだなんて……」
「しかもわたしたちがそれを倒さなきゃいけないだなんて……」
僕らは五人集められて魔女の詳しい説明と今後やらねばならないことの説明を受けた。
僕は迷っていた。選ばれても魔女討伐は参加するかしないかは自分で選べる。お父さんの何かに挑戦したらいけないよって言葉がよぎる。
これもある意味挑戦だよね?やっていいのかな……?どうしよう。大河君に相談してみる?
ひとりで考えてもラチがあかないので大河君に相談してみることにした。
「なるほど。平太を心配するお父さんの気持ちも確かに分かる。でもな……平太」
ぐっとこっちを強い目で見つめる大河くん。
「何も挑戦をしない人生なんてないんだよ。今後生きていたら何かに挑戦しないといけない時が来る。それがきっと平太にとっては今なんだ。魔女に立ち向かえる人は限られている。お父さんやお母さんを守れるのはお前だけだ。もしもの時は俺ら仲間だっている。だから一緒にやろう」
大河くんが熱く語ってくれる。さすがキャプテン。僕はそれを聞いて魔女と戦うことを決意した。
魔女の討伐はそれぞれの学校から選出された五人一組で魔女の現れそうなところに赴き、発見したら魔女を倒すことになっている。
僕らの目的地はある山の頂上付近に設定されていた。キャンプをしながら目的地に進んでいく。
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