受験生はウツになる。

ソノハナルーナ(お休み中)

第1話 あの子との思い出は忘れたことはない

蔵田由香、高校3年、女子、目標とする大学に落ちた。代わりに女子大学に受かった。

正直したいこともやりたいこともない。

山本凛、高校3年、女子、目標とする大学には受かることは出来なかったけど看護師になるための専門学校には受かり、無事やりたいことが見つかる。

2人に共通することは大学を目指していたってこと。

私は彼女を友達としてはいいかもって思ってたし、凛の性格の悪さも目をつぶっていたところもあった。

彼女は嫌いな人とはとことん喋らなかった。

でも、私とはもし喋らない間があっても由香となら平気と言われた。

大学生になり、2人の時間は正直少なくなったけど、LINEでのやりとりや電話もしてた。

でも、彼女と会うたびに専門学校での友達は上辺だけの友達であって、本当の友達は私だけと言っていたことに違和感を感じた。

その違和感は的中してしまった。

彼女と満員電車に乗った時、彼女はカバンを使って私の胸を触ってきたのだった。

私は降りた後、どうしてこういうことをするのと尋ねたら間違って当たってしまったのと言った。

私は間違いではなく、故意でやっていると勘付いてしまった。

でも、その場では間違いだと信じた。

信じたかったから。

それから、次に会った時に彼女は私に言った。

『私、由香と結婚したい』

私は冗談だと思って言った。

『無理だよ。女子同士じゃ結婚できないよ』

凛は言った。

『こないだの満員電車でのこと、本当は触りたかった、好きだったから、やった。ごめん...』

私はなんともいない気持ちになった。

彼女が私の写真を撮ったものをいっぱい持ってることも知ってるし、受験生の頃に目標の大学にA判定貰ってるっていう嘘もあとで知った。

でもさ、信じていたことが嘘だったってことよりも、触られる方が何倍も気持ち悪かった。

彼女との関係を親に話したら、縁を切った方がいいと言われた。

当たり前だ、私もそう思う。

彼女とのLINEで今度は運転免許を取ったから、初めて乗せるのは由香だから待っててねって言われたけど、私は彼女の気持ちに答えることが出来なかった。

彼女との縁を切ってから、彼女はレズだったのかなって思うこともあるけどどうだったのだろう。

彼女との思い出は今でも頭の中に残っているけれど、今は前を向いて歩むよ。

凛...ごめんね。あなたの気持ちに答えることができなくて。


(終わり)

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受験生はウツになる。 ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet

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