ないものおねがい

貴方は生きてね

なんて言葉をいつかければいい

貴方は私を忘れないでね

なんて呪いをかけたらいい?


生まれた時隣に居座った

貴方の小さな体と心は

いつしか大きくなりすぎてた

もう頭に手は届かない


考えればわかること

生きていくことは遠くて

そんな当たり前のことでさえも

私にはわからないの


貴方はあと100年は生きれるわ

私がそう信じているから

貴方は私を忘れて生きなさい

それが私のためよ



ある日突然隣に立った

貴方の腰の位置は高く

いつしか私から見えなくなった

その前髪は揺れていた


見つめればわかるとか

生き永らえらばわかるわと

当たり前のことを告げるの

どうしてみんなそう言って行く

人は同じじゃないのに



愛してるはきっと呪いになる

泣かないでもきっと苦しめる

貴方がいつまでもこちら側に

来ないでほしいだけ


だけど


貴方が他に愛してるって

言ったら私は呪うわ

貴方が他に泣かないでって

言ったら泣かせるわ


人が生きて行くのに理由なんてない

人が愛すのに理由なんてない

人が夢を持つのに理由なんてない

人が泣くのに理由なんてない

無い物ねだりの人たちが

増えて

増えていく



貴方はあと100年は生きれるわ

私がそう信じているから

貴方は私を忘れて生きなさい

それが私のためよ


貴方は生きてね

なんて言葉をいつかければいい

貴方は私を忘れないでね

なんて呪いをかけたらいい?

私はいれて幸せよ

貴方が幸せを掴む時

私は隣にはいない

掴んだ手を離さない



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

零蘭 @asagiT

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ