第6話 やり取り
長文を送ってきたからこちらも長文で返す。
『ひかないよ。むしろ私もそんな感じのことされたんだ。
わたしの場合は付き合っている人だったんだ。ショックだよね。
あんなことしないと勝手に思ってたんだから責めようがないんだよね。
簡単に私の経歴を送った。
そうしたら明るい絵文字が付いてきた。
そうなんだ。なんか似てるね。今は付き合うとか抜きにしてメル友になってくれませんか?
こんな悩みリア友には言えないんだ』
それは私も同じだったからその誘いがとてもうれしかった。
いいよって返事した。
そして彼女に早速わたしの悩みを打ち明けた。
「そっか。それならアドレスかえればいいよ。つかその元彼からまもってくれない友達って友達と呼べるの? 一度消してみたらどう?」
たしかに今はつながっているけれど2年後、3年後にはどれくらいの人と連絡を取っていることだろう。確かに元彼の存在を知っている人もいる。でもこんなことをされているとわかったら?
彼の評価はどう変わるのだろう?
別れておいて都合のよい考え方なのは分かっている。
彼女の勧めで変える決意が出来た。
メールしているはずなのに2分おき位に返信し合っていた。
「これってもうチャットみたいだよね」
2人笑い合った。
「会いたいな」
それはタブーなのだろうか
「こんなこと聞いちゃ駄目だよね?」
「聞かせてくれないと分からないよ」
「住んでいる場所とか」
「私は静岡だよ」
「私は東京。最寄駅は渋谷だよ」
「静岡っていっても神奈川県に近いんだ。そこから東京行けることはいけるんだよね」
「あいたいな」
「私も」
常識的にはサイトの中で知り合った人と会うなんて止めたほうがいい。犯罪に巻き込まれたくないのなら。
でもリアルで一人でいても夜道で声をかけられることなら良くある。それと同じ感覚なのかなとしかその時の私は思った。
もちろん危険なことは承知している。
地元の友人に3日連絡とれなかったら警察に連絡してねとお願いしてから会いに行く準備を始めた。
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